更生を誓う性犯罪者を受け入れるべきなのか

江戸川区の美容整形クリニック元院長は、美容外科手術を施した女性患者の全身麻酔がまだ効いているうちにわいせつ行為を繰り返した疑いが持たれている。自らの犯行を録画した動画には10人以上の被害女性が写っており、元院長の逮捕は5回に及んだ。

滋賀医科大の医大生3人は共謀し、嫌がる知人女性を無理やり部屋に連れ込むと、逃げようとする女性を押さえつけるなどしたうえで代わる代わる性的暴行を加えた。その模様もまた、3人は動画撮影していたという。

同志社大学アメフト部の部員4人は、泥酔した女性を自室に連れ帰り、それぞれが性的暴行を加えた。4人はバーで女性に声をかけ、泥酔状態にしたという――。

この数カ月を振り返っただけで、世の中にはこんなにも性犯罪が氾濫している。もちろん、実際はこんなものではない。

性犯罪者に同情の余地はない。だが、大石クリニックの再犯防止プログラムの参加者のように、彼らが己の過ちに気づき、これからの人生を謝罪と共に歩んでいくと覚悟を決めたのであれば、もしかしたら、私たちは考えを改めなければならないのかもしれない。更生を誓う性犯罪者たちを、私たちは受け入れるべきなのか――?

私にはわからないのだ。

そして、その答えを導き出すヒントを、誰に問えばいいのかもわからないのである。

降旗 学(ふりはた・まなぶ)
ノンフィクションライター

1964年、新潟県長岡市生まれ。神奈川大学法学部卒。英国アストン大学留学。週刊誌記者を経てフリー。96年、第3回小学館ノンフィクション大賞・優秀賞を受賞。主な著書に『残酷な楽園』『都銀暗黒回廊』(ともに小学館)『敵手』(講談社)『世界は仕事で満ちている』(日経BP社)他。