プチテクノロジーを使って、気軽に副業&起業
テクノロジーが劇的に進化した昨今、副業や起業にはITが欠かせない。そこで米・シリコンバレーで活躍する起業家・堀江愛利さんに、プチテクノロジーを使ったビジネスについてのノウハウを聞いた。
スマホ、ネット、フリーのアプリでビジネスはできる
日本で、起業前または起業初期の女性起業家の支援を行っている堀江愛利さん。日米両国の大きな違いといえば、起業に対する意識だという。たとえば女性の起業家向けのプログラムを行うと、アメリカでは「起業っておもしろそうだ」といろんな属性の人がたくさん集まってくる。一方、日本の場合、起業は難しいもの、きらめくような才能がある人がやるものという意識があってか、自分などができるわけがないと尻込みする人が多いのだそう。それはなぜか?
「確かに大手企業や有名なスタートアップはカリスマ経営者の存在が大きく取り上げられ、会社を立ち上げたら新規株式公開をしたりバイアウトしたりして大金持ちになるというのが成功例の理想形だと思われがちです。でも、ビジネスの基本は、自分の目の前の人にモノやサービスを売り、相手に喜んでもらうこと。市場のニーズに自分の思いが合致していて、スマホやPC、インターネットとフリーのアプリを使えば、誰でも簡単にビジネスを始めることができます」
堀江さんが代表を務めるアメリカのWS.Labの女性起業家支援プログラムに、2022年のホットスタートアップに選ばれた「Baby Quipe」(ベビークイップ。赤ちゃん用品のレンタル会社)の創業者も参加していた。彼女はアメリカの片田舎に住む2人の子どもの母親。赤ちゃんや小さな子ども連れの旅は親の負担が大きいと考え、目的地に乳母車などを送るネット上のサービスを思いつく。
会社を立ち上げたときは資金がないので、フェイスブックに赤ちゃんを持つ母親のコミュニティーをつくり、顧客からリクエスト(旅行する日、目的地、必要な用具など)をフォームに入力してもらっていた。そのデータをもとに中古の用具を集めて、多くの安全チェックを遵守。そして旅先に送り、設定までするサービスを行ったのだ。
「今をときめくスタートアップでも、最初はそんなレベル。現代のビジネスビギナーが集客をするなら、『ノーコード』というソースコード不要のテンプレートがついたアプリに文章や写真を載せるだけで、ホームページや販促用のチラシをつくることができます」
もちろんこれは最初の一歩にすぎない。その後さまざまな検証や努力を重ねないとビジネスは継続できないし収益も上がらない……。しかしこの最初の一歩に使うツールの難易度が低いことがわかった今、使わない手はない!
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Women’s Startup Lab代表
米国の大学を卒業後、シリコンバレーのIBMに入社。女性起業家のサポートプログラムを運営する「Women’s Startup Lab」(WS.Lab)を主宰。2022年に日本でその社団法人「Amelias」代表に就任。