※本稿は、しかまのりこ『狭い部屋でも快適に暮らすための家具配置のルール』(彩図社)の一部を再編集したものです。
部屋の中には、目に見えない「動線」がある
「部屋が狭く、動きにくい」という悩みを訴えて、私の元へ相談に来られる方の多くが、リビング・ダイニングが10畳程度の間取りにお住まいです。確かに、決して広くはありませんが、狭すぎるというほどでもない広さの部屋で暮らしています。ではなぜ、狭いと感じてしまうのか。それは家具のサイズが合っていないのかもしれません。
部屋の広さを考えて購入したはずの家具なのに、なぜか部屋が狭く感じられてしまう、ということはありませんか? 引っ越しや住宅購入などで、入居する部屋の広さを考えるときは、間取り図を見ることが多いと思います。その間取り図には、「LD○○畳」などの情報が記載されており、その部屋の広さを知った上で、もしくは実際に部屋を見てその空間的広さを目で確認されてから新居に移られる方がほとんどでしょう。
しかし、確認して準備したはずの家具をレイアウトしたら、想定よりもだいぶ狭くなってしまった、ということはよく起こります。この現象はなぜ起きてしまうのでしょうか?それは、「動線」部分を考慮していないからです。
「動線」とは、人が部屋の中で動くラインのことで、目には見えない空間です。多くの方は、この動線を意識した家具レイアウトを行なっていません。そのため、部屋の広さを考えて家具を購入したのに、家具が大きすぎて部屋が狭くなったり、または動きにくいという問題が生じてしまうのです。