身の回りで値上げが相次いでいます。多くの読者にとって、これは初めての体験でしょう。今後の状況がどう動いても、自分で判断して対応できるよういま何が起きているか、なぜこうなったかをしっかり把握しておきましょう。
スーパーマーケットの食品、果物や野菜、より高い価格インフレとより高価な食品の概念
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Q1. 相次ぐ値上げ。これがインフレなの?

物価が上がり続ける状態をインフレといいます。反対に、物価が下がり続けるのがデフレです。

日本の消費者物価指数の動きを表したのが図1です。ここでは、値動きの激しい生鮮食品を除いた指数の対前年同月比を示しました。

7月の消費者物価指数は2.4%と、4カ月連続して2%を超えました。過去40年ほどの間で2%を超えた局面は、消費税の導入・増税の時期を中心に数回だけで、いずれも一時的なものに終わっています。

ただ、今回は消費税とは関係なく物価が上がってきています。特に、電気・ガスの料金や食品といった生活必需品が値上がりしているだけに、暮らしへの影響が心配です。

一方、海外の物価上昇は日本の比ではありません。特にアメリカの上昇率は一時9%を超え、5%超の物価上昇が1年以上続いています。欧米は今、インフレの真っただ中です。

何パーセントの物価上昇が何カ月続いたらインフレ、という定義があるわけではありません。日本の物価上昇は欧米ほどではないものの、今の状況は“インフレの入り口にさしかかったところ”といえるでしょう。

図1 消費税に関係なく消費者物価指数が急上昇