国内の金利にも上昇の兆しが見え始めた今、漫然と預金を続けているとチャンスを逃す。ファイナンシャルプランナーの藤原久敏さんは「自分の足を使って探せば、メガバンクやネット銀行にはない高金利定期預金が見つかる可能性がある」という――。
市街地に止められた自転車
写真=iStock.com/MCv300
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2年前は0.5%でも、輝いて見えた

ここ最近の物価上昇、そして株価の上昇もあって、これはいよいよ、国内金利にも上昇の兆しが見えてきたといわれています。

金利上昇時には、漫然と預金に預けていると、残念な目に遭うかもしれません。

実際、私は米ドル預金に漫然と預け、アメリカの急激な利上げ(米ドル金利上昇)によって、残念な目に遭っています。

今回は、金利上昇の兆しの中で、ぜひとも心がけるべき、預金の選び方がテーマです。

約2年前、私は米ドル預金を探していました。

しかし当時、アメリカの金利は非常に低く、米ドル定期預金1年物の金利は0.1%程度と、円建て預金と、さほど変わらない水準でした。

そんな中、3年物ではありましたが、金利0.5%の米ドル預金を見つけたのでした。

これは0.1%からすれば5倍の水準と、円建て預金の低金利にはもちろんのこと、米ドル預金の低金利にもうんざりしていた私は、その魅力に大いに引かれました。

今思えば、0.5%でも低金利には変わりませんが、当時の私には、非常に輝いて見えたのでした。

なので、私はすぐさま、手持ちの米ドルをかき集め、3万米ドルを預け入れたのでした。

グングン上がる金利を、ただ眺めるだけ……

しかしその後、新型コロナによる景気低迷からの回復、ロシアのウクライナ侵攻による食料・資源の価格高騰等を受けて、世界的なインフレ懸念が高まり、アメリカはいち早く、利上げを始めます。

約2年前、2021年夏には0~0.25%だったアメリカの政策金利は、2022年春ごろから引き上げられ始め、わずか1年余りで、現在、5~5.25%の水準となっています。

それに伴い、米ドル預金の金利も、見る見るうちに上昇していきました。

私が預けた当時、1年物で0.1%程度だった米ドル定期預金は、預けてから半年もたたないうちに見る見る上がり始め、今現在、なんと5%に迫る金利水準となっています。

しかし外貨定期預金は原則、中途解約はできません。

なので私は、今となっては何の魅力もない、この0.5%で我慢するしかありません。

これまで、グングン上昇していく金利を歯ぎしりしながら眺め、そして満期まであと1年もあるので、これからも悔しい思いを続けることになります。