※本稿は、庄子寛之『子どもが伸びる「待ち上手」な親の習慣』(青春出版社)の一部を再編集したものです。
「宿題した」と言ったのに、していなかったときにどうするか
この間、我が子が「宿題をした」と言って、本当はしていませんでした。
イラッとして、子どもにキレてしまいました。
一言目は、「なんで宿題するって言ったのに、していないの‼」
そして、
「今日はゲーム禁止ね!」
「一週間テレビ禁止ね!」
「いつもあなたはうそばかりつくの!」
「反省しているの?」
とにかく感情まかせの言葉が止まりませんでした。
こんなとき、どうすればよかったのでしょうか?
分かります。そんな経験、誰もがあるのではないでしょうか?
こんなに叱っても、我が子は一時的に反省しますが、心の底からは反省していません。とにかくその場をどうやり過ごすかしか考えていないからです。
そして、これからも、どうやって親の目をごまかしながら宿題をさぼれるか、ということばかり考えてしまうでしょう。
我が子のできていないところを見つけた際には、すぐ叱ったり教えたりするのではなく、「どうしたの?」と聞いてみてください。
できるだけ、笑顔で。
「どうしたの!(怒)」
と引きつった顔で声をかけてはいけません。大切なことは、「どうしたの?」と声をかけることで、我が子に「興味をもって見ているよ」ということを伝えるのです。
「自分をちゃんと見て、考えてくれている」と伝わる
やっていないと見えても、それはあなたの勝手な解釈かもしれません。
一生懸命考えても分からなくて、休憩している最中だったのかもしれない。
宿題のことを考えている最中だったのかもしれない。
何か考え事をしていて、少し手が止まっていたのかもしれない。
近くに漫画があったから、その誘惑に負けただけなのかもしれない。
たとえ、本当にやる気がなくてやっていなかったのだとしても、「やりなさい! なんでやらないの!」と怒られるのと、「宿題が終わっていないようだけれど、どうしたの?」「どうしたの? わからないことでもあった?」と、何か困っていたら助けるよという気持ちを込めて話しかけられるのとでは、受け止め方はまったく違ってきます。
子どもは「ママ(パパ)はぼくのことをちゃんと見ていて、考えてくれているんだ」と感じるようになってきます。
このマジックワード「どうしたの?」は、前回ご紹介した3つのポイント(「『人はすぐには変われない』ことを理解する」「やらない権利を認める」「小さな変化を感じ取る」)を一度に実践できる優れた言葉です。3つのポイントを意識しながら使ってみてください。