経済ニュースでよく耳にするあの「ワード」。「ホントの意味」をじっくり解説します。

人が豊かになるためだったDX

コロナ禍でのリモートワークの進展とあいまって、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)が加速しています。そもそもDXとはなんなのか。単なるデジタル化と何が違うのか――。私たちの生活はそれによってどう変わるのでしょうか。

現代の都市景観と通信ネットワークの概念。デジタルトランスフォーメーション。
写真=iStock.com/metamorworks
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DXは2010年頃からビジネスの文脈で使われ始めましたが、もともとは、04年にスウェーデンのエリック・ストルターマン教授によって提唱された概念でした。電子情報のツールが普及することで、人間の認知の範囲が広がり、人類が豊かになることを指し、人間のためにテクノロジーを使うという、人間が主体の発想だったのです。

しかし、ビジネスにおけるDXでは、主客が転倒します。進化する技術を使ってビジネスやビジネスモデルを変え、技術に人が合わせることで、効率化が進み、新しいビジネスチャンスが生まれ、利益も生まれる。つまりテクノロジーが主体なのです。

DXについては、以上の2つの側面を知っておく必要があります。