財産分与でもめないたための対策とは

しかし、マンションをふたつに分けることはできないので、夫婦のどちらかが住み続けて、ローンを払い続けるか、売却して清算することになる。夫婦合計の住宅ローン残高より高く売れれば、差額を二人で分け合えばいいが、自己資金が少ないと、住宅ローン残高が売却価格を上回ることも十分にあり得る。

そうなると、どちらがどれだけ負担するのかなど、財産分与の話し合いがいよいよ難しくなってしまう。

そうならないためには、購入時の自己資金比率を高め、住宅ローン残高が売却可能額より少なくなるようにしておくことが大切。そうすれば、財産分与の話し合いも比較的スムーズに流れるのではないだろうか。

山下 和之(やました・かずゆき)
住宅ジャーナリスト

1952年生まれ。住宅・不動産分野を中心に新聞・雑誌・単行本の取材、執筆、講演、セミナー講師など幅広く活動。著書に『2017-2018年度版 住宅ローン相談ハンドブック』『よくわかる不動産業界』など。