「季節の初め」が取捨に最適な理由
季節の始まりである3月1日、6月1日、9月1日、11月1日には着なくなった服を手放す「断服式」をするのがおすすめです。「次の季節にはもう着なくていいかも」「しばらく着ていないな」「もう満足するぐらいたくさん着たな」と感じた服は、潔く手放しましょう。どんなにシンプルな服でも2~3年周期でトレンドは大きく変わるので、全ての服が入れ替わるまで大体2年くらいを目安にしています(もちろん期間はご自身の気持ちがいいサイクルでいいのです)。
私はできる限り服を古着屋さんやリサイクルショップに買い取ってもらうようにしています。それは「服が好きだからまた誰かに着てほしい」という気持ちがあるからです。前の年に着た春物を3月1日に見直して、さっと買取(リユース)に出せば、そのシーズンの春物として必要な方に着てもらえます。以前は、フリマアプリでのやりとりをしていましたが、個別での交渉や配送作業が面倒になってしまい最近では古着屋さんの店頭買取に出すようにしています。
購入して2年以内で大切に着ていた衣服を持っていくと、「こんなにきれいな最近の服を……次に使うお客さまが喜びます! ありがとうございます」といつもお礼を言ってもらえるので、とてもいい気分です。古着屋さんにも、次に着てくれる人にも喜ばれるので、「季節の初め」の見直しがおすすめです。
昨年買った服が「なんか違う…」はチャンス
昨年買った服を見たときに「違うな」と感じたら「新しい自分になる」チャンスです。ブラッシュアップされた価値観に合う服を身に纏った自分は、とてもいきいきしているはずです。いい服が見つかるか不安な方は、次の服が見つかるまで残しておいてもいいのですが、手放したことで初めて新たな自分を見つけることもできるはずなのです。
「断服式」をし始めたら、数年前の服が手元に残らなくなったので毎年違うイメージの服を新鮮な気持ちで楽しめるようになりました。「一生ものだから」と思って高い服を買っても3~4年で着なくなってしまうことが多かったので、むしろ「2年で着たおそう!」と考えて服を買っている今の方がおしゃれになれたのでは? と思っています。
一年3セットの服だけで生きる。1985年、東京生まれ。2008年、日本女子大学家政学部被服学科卒業後、都内百貨店に入社。パーソナルスタイリスト、セレクトショップバイヤーを経験後、2018年に退社しファッションスタイリストとして独立。独特のファッション論を情熱的に語るnoteが話題となる。