男性の孤独・孤立リスク
「男女共同参画白書」令和4年版は、昭和の時代と比べて世帯構造が大きく変化していることを明らかにしました。調査結果からは、サラリーマンの夫と専業主婦の妻と子ども、または3世代同居といった家庭が減り、男女ともにすべての年齢層で単独世帯が増加していることがわかります。
白書はこうした変化に対して「もはや昭和ではない」と指摘し、現代の世帯構造に合った新たな政策が必要だとしています。その点については同感ですが、私はほかにも2つの点が気になりました。
ひとつは、世帯構造の変化に関連した「孤独感」の調査結果です。ここからは、単身男性が孤独感を抱えがちになっている現状を読み取ることができます。孤独感は、年齢別に見ると男女ともに20〜30代で、配偶者の有無別で見ると男女ともに未婚者と離別者で大きくなっています。
また、同居人の有無別で見ると「同居人なしの単身男性」が特に孤独感が大きくなっていました。同居人なしというタイプの中で孤独感を抱えている人は、女性は30代に多いのですが、男性では50代が多くなっています。