日本はG7の中で唯一LGBT平等法がない国。一刻も早く制定を
【原田】確かに日本は相対的貧困も問題で、SDGsに関しては問題が山積みですが、そこにZ世代の関心は向いていないように思います。いずれにせよ若者はLGBTQ+の問題に強く関心を持っているので、それについてもっと政党や候補者が気づいて争点にしていくといいのかもしれないですね。さっき出た同性婚もそうですが、他にどんなことに問題意識がありますか?
【井上】同性婚によって認められる事柄(同性カップルの共同資産管理や養子縁組を認めるなど)には興味があります。また、LGBT平等法のように性自認に関する差別の撤廃にも同じくらいの関心があります。それに付随して、LGBT教育がどこまで推進されていくのか気になっています。
【斉藤】私もLGBT教育に興味があります。LGBT教育がどんどん普及していけば、LGBTQの問題だけがこんなに盛り上がってしまうことなく、より多様性が認められて皆がフラットに生きやすい世の中になっていくのではないかなと思うからです。
【田中】日本はG7の中で唯一LGBT平等法がない国となっています。一刻も早く制定していただきたいです。自分の身の回りにもカミングアウトしている方がいるため、少しでも生きやすい社会になるといいなと思っています。他にも性教育を通じて、多様性への理解が進み、働きやすい、過ごしやすい環境が整ってほしいです。
Z世代はLGBTQ+に敏感な世代だと思われがちですが、欧米ほどの関心はなく、ただ当事者たちへの理解がある程度だと感じています。自分も、当事者でないため、投票行動の中ではどうしても優先順位が下がってしまいます。社会のもっと多くの人に関心を持ってもらわなければ、環境整備は難しいのではないかと思っています。
Netflixの映画やドラマの影響は大きい
【原田】ジェンダー平等の中でも、男女の賃金格差や女性の貧困といった課題よりも、LGBTQ+の問題に関心が高いのはなぜでしょうか。
【佐藤】Netflixの映画やドラマ、漫画の題材として挙げられ多くの若者が見ています。たとえば『おっさんずラブ』(ドラマ、映画)、『ギヴン』(漫画、アニメ)『チェリまほ』(ドラマ、映画)などがあります。最近ではタイBLも人気が急上昇していると感じます。どの作品も、性別の壁による主人公たちの苦悩や葛藤を垣間見ることができ、その切ないストーリーに感情移入しやすいのだと思います。そういうドラマや映画、アニメを見ている私たち若者は、性別の壁を超えて成す愛に憧れや応援したい気持ちがあり、LGBTQを身近に感じ興味関心を抱きやすいのではないでしょうか。