「私はできる」という自己効力感を見える化しよう
自己効力感という言葉をご存じですか? これは非認知能力のひとつで、「自分はできる」「できると思う」「きっとできる」と思える力です。
「私はできる」そう思える子は、行動できます。この自己効力感を効果的に高めるには、本人の「実行機能」を高めることが有効です。
実行機能とは、「やり方を知っている」ということ。平たく言うと「目標達成のために、何を、いつ、どれだけ、どこでやればいいか」について必要な情報を集め、達成のための計画を立てて、実践して目標達成する力です。
これは、計画性と実行力と言い換えることもできるかと思います。この能力は、特別なことをしなくても、日々の暮らしのなかで効果的に高めていくことができます。たとえば、学校の準備などはその好例でしょう。
●いつ、どこで、どのくらいの時間やるかを決める
●学校に必要なものをリストアップする
●必要なものを用意し、やることを実行し、時間内に達成する
この一連の流れが実行機能というわけです。
「実行機能」は「やり方を知る」「慣れる」で身につけよう
覚えていますか? 子どもはできないのではありません。「これまでやったことがない」「やり方を知らない」「教えてもらっていない」「慣れていない」だけです。だからやり方を学び、やることに慣れればいいだけ。
「やり方を知っている」「慣れる」の2つの鍵を念頭に、『しなさいと言わない子育て』では6つのスキルをご紹介しています。
●やり方を知っているタスクを親から子に移動する
●実行機能は「好き」「得意」を使って高める
●成功を重ねて自己効力感を高める
●失敗から自己効力感を高める
●待って見守るスキル
実行機能を伸ばすために最も有効なのは、大人がまず“枠組み”をつくることです。知らないのだから教える必要がありますが、非認知能力をはぐくむためにはトップダウンで教えるのではなく、「やって見せる」のが効果的です。
「一緒にやってみる」という姿勢で取り組んでみてくださいね。
Shigeko Bork BYBS Coaching LLC代表。ICF(国際コーチング連盟)会員ライフコーチ。アートコンサルタント。福島県生まれ。30歳目前に単独渡英し、美術系の大学院サザビーズ・インスティテュート・オブ・アートに入学、現代美術史の修士号を取得する。非認知能力育児の研究・調査・実践を重ね、自身の育児に活用。娘・スカイが18歳のときに「全米最優秀女子高生The Distinguished Young Woman of America」に選ばれる。著書に『世界最高の子育て』(ダイヤモンド社)、『「非認知能力」の育て方』(小学館)など多数。