PTA主導でデジタル化した事例も

3つめは、個人情報に関するセキュリティーへの不安と、クラウドサービスへの不慣れです。文部科学省は学校向けに最新のセキュリティーポリシーやクラウドのメリットなどを発表していますが、まだ各校の担当者レベルまで浸透しているとは言えません。そのため、学校で検討はしても「何となく不安だから、よくわからないからやめておこう」という結論になりやすいのではと思います。

こうしたハードルはあるものの、近年ではICTを導入する小学校も少しずつ増えてきました。福島県磐梯町では、以前から保育園や幼稚園などにコドモンを導入していただいていましたが、2022年2月には小・中学校でも運用が始まりました。また今春には、奈良県橿原市や広島県尾道市でも、保育園や幼稚園、小中学校にコドモンが一斉導入されます。

上記の市町村で導入が進んだ理由としては、行政が子育て支援に力を入れており、かつDX(デジタルトランスフォーメーション)への感度が高かったこと、教育委員会との連携が強かったことなどが挙げられると思います。

また、PTA主導でコドモンの全校導入を実現した事例も増えてきています。広島県のある小学校では、PTA役員の主導で、PTA予算での導入が決まりました。こうした例はほかにもあり、これまでにコドモンを導入していただいた小学校のうち2割がPTA主導となっています。

デジタルよりも危険な「紙の連絡帳を友達に預けること」

しかし、冒頭にお話しした通り、小学校の連絡帳のデジタル化率はまだ1割未満にすぎません。デジタル化していない学校の中には、先生と保護者の連絡手段が紙の連絡帳のみというところもあります。

今は個人情報保護の観点から、クラス全員の電話番号を載せる連絡網のようなものはほとんどなくなっています。そのため、台風などで突然休校する場合には、前日の夜中に、先生が生徒の自宅にお知らせを投函して回るという学校もあります。

連絡手段が紙の連絡帳のみだと、保護者にとっても不便です。子どもが欠席する際には担任の先生に電話をする人も多いと思いますが、1回で本人につながるとは限りません。出勤時間が迫っているのに何度も電話をしなければならない、これにストレスを感じたことのある人は多いのではないでしょうか。

学校によっては、欠席するときはクラスメートに連絡帳を渡して持っていってもらう、と決まっているところもあります。連絡帳には人間関係や健康状態などセンシティブな情報も含まれますから、それをクラスメートに見られてしまうリスクもないとは言えません。