「自分の持つ条件」も結婚相手探しには重要
メイトサーチ・モデルでは「相手に求める最低条件」と並んでもう1つ重要な要因があります。
それは、「自分の持つ条件」です。
これはいわば自分のスペックであり、自分の持っているお金や仕事といった社会経済的地位や身体的魅力を指しています。
自分の持つ条件が高いほど、結婚市場で望ましい結婚相手として認識され、出会いが多くなり、結婚確率も高くなるというわけです。
BMIを管理することで、最適な結婚相手を探す
以上の話を整理すると、結婚相手を探す際、「相手に求める条件」と「自分の持つ条件」が重要です。この2つの条件を勘案して、結婚相手を探していくわけです。
さて、結婚相手を探す際、多くの人が自分の理想に近い相手と結婚することを望むと考えられます。
この目的を達成するには、「自分の持つ条件」を改善させるのが合理的な方法の1つとなります。
ここで出てくるのがBMIです。BMIは、結婚市場における「自分の持つ条件」の要素の一つです。肥満度は身体的魅力と密接に関連しており、多くの先進国で高い肥満度と身体的魅力はマイナスの関係にあると指摘されています(*4)。
ここで、自分の望んだ相手を探し出し、うまくマッチングするためにも、BMIを管理するインセンティブが出てくるわけです。
インセンティブの大きさは人それぞれですが、極端にBMIが高くならないよう注意を払うはずです。ただし、このような努力を続けるのはなかなか大変です。
(*4)①Cawley, J., Joyner, K., & Sobal, J. Size matters: the influence of adolescents’ weight and height on dating and sex. Rationality and Society, 18(1), 67–94 (2006). ②Mukhopadhyay, S. Do women value marriage more? The effect of obesity on cohabitation and marriage in the USA. Review of Economics of the Household, 6(2), 111–126 (2008). ③Hitsch, G. J., Hortaçsu, A., & Ariely, D. What makes you click? Mate preferences in online dating. Quantitative Marketing and Economics, 8(4), 393–427 (2010).
結婚した後、BMIを管理するインセンティブは消失する
さて、もし結婚相手を見つけ、結婚市場から退出した場合、BMIにはどのような変化がもたらされるでしょうか。
その答えは単純です。
すでに結婚相手をゲットしているため、体重を管理する努力を続ける理由はありません。このため、結婚直後からBMIが増加してもおかしくないはずです。
これがいわゆる「幸せ太り」だと解釈できるのではないでしょうか。