ロックダウンはもとは刑務所用語
毎年、秋から年明け早々にかけて、英米の教育機関や大手辞書出版社などがWord of the Yearを発表しますが、その先陣を切ってイギリスのCollins Dictionaryが2020年11月に発表した「今年の言葉」はlockdownでした。
ロックダウンはもともと刑務所用語から派生した単語で、騒ぎを起こした受刑者を監房に閉じ込めるという意味で使われていたといいます。また近年では銃をもった不審者などが学校に侵入した場合の「学校封鎖」という意味でも使われました。
2020年からは、ほとんどの人にとってロックダウンは公衆衛生上の対策の意味になったのです。
曜日の感覚があやふやになったという新語も
lockdownは「都市封鎖」とか「移動制限」などと訳されていますが、あまりにもインパクトが強いので、shutdownやself-quarantine(自己隔離)といった語も使われています。
Collinsに続きOEDやMerriam-Websterなどが、それぞれのWord of the Yearを発表、と思われていたのですが、OEDは2020年のWordは1つに絞りきれなかったとのことで、代わりにいくつかのパンデミック関連用語を発表しました。これは初めてのことです。
その中に入っていた新語がBlursdayです。blurは「ぼやけた」「かすんだ」という意味ですが、曜日の感覚があやふやになった日という意味の新語。リモートワークだと、週日と週末の境がはっきりせず、曜日の感覚そのものも怪しくなっていることを表します。
元NHKラジオ「実践ビジネス英語」講師。昭和女子大学客員教授。東京生まれ、青山学院大学卒業後、「朝日イブニングニュース」記者に。71年にオハイオ州立大学に留学、修士号取得。「シンシナティ・ポスト」経済記者など経て、日本ゼネラル・エレクトリック取締役副社長、プラップジャパン代表取締役社長などを歴任。