ロスジェネシングル女性の厳しい現実
昨年10月、「ロスジェネのシングル女性の貧困問題」が朝日新聞の記事に掲載されていました。40年後には、なんとロスジェネのシングル女性の約半数が、生活保護レベルの収入になってしまうという内容です。
なぜそのような収入の水準になるのかというと、ロスジェネ世代の人は、非正規雇用が多く、収入も安定しないから。ですから、“なんとなく”働いていると、この予測の通りになってしまうことも十分あり得ます。
たしかに、ロスジェネ世代の貧困は大きな社会問題ですし、老後の生活を考えればとても悠長にしていられません。では、いまさら何をやっても手遅れなのかというとけっしてそうではありません。
まだまだあきらめるのは早いです。これからでも十分に豊かな老後を過ごすことができます。それについて、お話しをしましょう。
卒業年度で「アタリ」「ハズレ」がある
ロスジェネ世代とは、1990年代後半から2000年代前半の「就職氷河期」に社会に出た世代のことを指します。ちょうどバブル崩壊後の景気が低迷していた時期に新卒として社会に出た人たちです。
そのため希望通りの職業に就くことができないばかりか、非正規社員、あるいは無職になった若者もいました。「就職氷河期」「不遇の時代」とも呼ばれています。バブル崩壊によって訪れた「失われた10年」です。ロストジェネレーション、略してロスジェネです。
この世代の人は約2000万人いると言われ、現在は40代ぐらいの人が該当します。いまだに不安定な雇用にとどまっていて、低賃金にあえいでいます。それゆえに結婚も難しく、親と同居している人も多いのです。最近では、「子ども部屋おじさん(おばさん)」と揶揄されることもあります。
大学を卒業して、社会に出る時期によって「アタリ」「ハズレ」があり、「ハズレ」だとその後も不安定な雇用が続く傾向があります。これは日本型の雇用システムである新卒一括採用、終身雇用、年功序列というのが、根強く影響しているせいだと言えるでしょう。