思いを貫く姿は若者に勇気を与えた
【林】確かに小室さんのお母さんにはあまりいい噂がないのは心配だし、賛成と言いきれない部分。でも、眞子さまが周囲の反対を押し切って結婚へと進まれたことは、すばらしいことだと思っています。若者世代には、進学や就職、結婚などの場面で、親や周囲のすすめに従うべきか悩んでいる人も多くいます。眞子さんのご結婚は、そういう人の背中を押してくれるものじゃないかと思います。
【原田】進路選択などに関しては、親や周囲の期待に応えたいという気持ちが強い?
【林】ひと昔前に比べたら「絶対に大手企業に入社しなさい」「高収入、高学歴の人でなければ結婚を許さない」といったことを言う親は少ないだろうと思います。でも、やっぱり親はそういう価値観の中で育ってきているから、自分のしたいことと親の希望との間で葛藤している子は多いと感じます。
【梅田】私も同感です。私自身は親とかなり仲良しで、だからこそ親の意見を気にしちゃう部分があります。母は古い価値観を持っている人なので、「こういう人と結婚してほしいな」という希望をぽろっと聞いたりすると、期待に応えられるかなって不安に思ってしまうこともあって。眞子さんの場合は、ご自分の思いを貫いた結果、秋篠宮殿下も最後は納得して送り出されたと思います。そこがすごくすてきだなと思います。
共働きというライフスタイルにも好感
【原田】眞子さんは、ニューヨークの美術館でお仕事をされるという報道もあります。この点についてはどうですか?
【森】お二人で海外でのライフスタイルを考えての選択だと思うので、周りがとやかく言うものではないと思います。
【山田】眞子さんは公人から私人になったのだから、働くことについて国民が口出しする問題ではないですよね。私自身もニューヨーク育ちなので、現地の生活もなんとなくイメージできますが、共働きの家庭がすごく多いです。ニューヨークは、自分からコミュニティに入っていかないと人と関与しにくい街。ずっと家にいるような生活では、孤独だと思います。働きたいという願望があるのならば、それは尊重されるべき。
【梅田】眞子さんは体調を崩されているという報道もあるので、まったく新しい環境でのお仕事はご苦労もあるかもしれないと心配はあります。でも、働くこと自体は賛成。私も将来、結婚してからも働きたいと思っているし、男女ともに働くことって普通のことだと思う。
【原田】若者世代は、ご結婚に対して好意的な意見が多いことが見えてきましたね。次回は、若者がこのご結婚を支持するわけを深掘りしていきたいと思います。
構成=浦上藍子
1977年東京都生まれ。慶應義塾大学商学部卒業後、博報堂入社。博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダーを経て、現在はマーケティングアナリスト。2022年より芝浦工業大学教授に就任。2003年、JAAA広告賞・新人部門賞を受賞。主な著作に『ヤンキー経済 消費の主役・新保守層の正体』(幻冬舎新書)、『パリピ経済 パーティーピープルが経済を動かす』(新潮新書)、『Z世代 若者はなぜインスタ・TikTokにハマるのか?』(光文社新書)、『寡欲都市TOKYO』(角川新書)、『Z世代に学ぶ超バズテク図鑑』(PHP研究所)などがある。