秋篠宮家の長女眞子さんと小室圭さんが10月26日、結婚した。この結婚で眞子さんは皇籍を離れ、民間人となった。武蔵大学社会学部教授の千田有紀さんは眞子さんの結婚について、「皇室の今後を考えるうえで、非常に大きな意味がある」という――。
結婚後、記者会見に臨む小室圭さん(左)と眞子さん
写真=時事通信フォト
結婚後、記者会見に臨む小室圭さん(左)と眞子さん=2021年10月26日、東京都千代田区

心の病に苦しんだ皇室の女性たち

眞子さまが結婚されて、小室眞子さんになった。おめでたいことだ。眞子さんの願いがかなって、よかったと思う。

一連の騒動を振り返れば、自分の意思、恋愛で結婚相手を選んだ眞子さんのこの結婚は、皇室のあり方に大きな一石を投じたと言えるだろう。皇室という制度のあり方に、ここまで根本的な疑問が投げかけられたことは、これまでなかったのではないか。

もちろんこれまでも、お世継ぎが問題になったことなどはあった。しかし、天皇皇后陛下に男のお子さんができなかったことは、いわば仕方のない事態であって、個人の意思でどうこうできるものではない。それに対して、眞子さんが自らの意思で結婚一時金を辞退し、降嫁したことがもたらす影響は、皇室の今後を考える際に、非常に大きな意味をもつ。

そのことを象徴しているのが、眞子さんが患ったとされる複雑性PTSDだ。眞子さんは、「中学生のころから、身近な方々やご自身に対する誹謗中傷と感じられる情報を日常的に目になさり、精神的な負担を感じておられた」のだという。その頃から、結婚一時金を辞退することを考えていたというのだ。衝撃だった。

なぜなら、上皇陛下と結婚された美智子さま、皇后の雅子さまが非常な苦労をなさって、それぞれ失語症や適応障害を患われたことは皆が知っている。女性が「民間から皇室に嫁ぐ」、しかも皇位継承者と結婚するのは、並大抵なことではないのだと思われてきた。