Yahoo!ニュースに2万件のコメント
もちろんその矛先は、小室さん本人だけではなく、日本でその帰国を待ち受ける眞子さまにも向けられた。
10月1日、眞子さまのご結婚の日取りが宮内庁から正式に示され、眞子さまが結婚を巡るSNSやネット記事コメントの誹謗中傷に「人間としての尊厳が踏みにじられている」と感じて複雑性心的外傷ストレス障害(PTSD)に苦しんできたと公表されると、それを報じるネット記事にはまさに、眞子さまの複雑性PTSDの原因であるネット民から「当然の報いだ」「自分の行いが悪いからだ」「国民を脅す気か」と、Yahoo!ニュースでは2万件を超える反論コメントがまた噴き出した。
ご結婚の正式な日取りが決まったことへの、わずかな祝福のコメントなどは一瞬でかき消された。不適切なコメントの急増に危機感を持ったYahoo! JAPANが「法令に違反するコメントや、誰かを著しく傷つけたり、攻撃したりするコメントの投稿は禁止している 」とあらためて呼びかけると、Yahoo! JAPANに対する攻撃も沸き起こった。
なぜ怒り続けているのか
なぜ、彼らはそれほどに眞子さまのご結婚に固執し、しつこく怒り続けているのか。体のどこにそんな怒りを執拗に沸騰させ続けていられるのか。あくまでも正義感から、自分たちは実に論理的で正当な意見を「相手のために」「皇室の品位のために」「国家の品格のために」「我ら日本国民のために」と書き記しているのだ、と思っている人たち。
でもそれは、彼らのように「皇室の品位」という99.999%のネット民に何ら関係のない大義を振りかざし、SNSやネット記事のコメント欄に残酷な言葉を尽くして怒りを書きつけたりはしない人たちから見れば、狂気の沙汰でしかない。「異常」なのは小室圭さんの家庭環境でも眞子さまの男性観でもなく、ネット民の執拗で嗜虐的な反応、そこに表れる病的な精神性こそが「異常」なのだ。そういった俯瞰は、おそらく彼らにはできていない。自覚もない。病識がないことこそが、その病が重いことを示す。