大使館へ行って聞いてみよう

教室に戻ってみんなで相談しているうちに、ある子がこんなことを言い出しました。「大使館って知ってる? いろんな国が東京に大使館を置いてるって聞いたことがあるよ」

「じゃあさ、その大使館っていうところに行ってその国のことを聞いたらいいよね」

「それやってみよう!」

ここまでくると子どもたちの目が輝き出します。国の名前をそれぞれが挙げて、担当を分担しました。そして再び職員室に行きます。

「先生、大使館に行って聞いてみようっていう意見が出たから、行ってきていいですか」
「おお、それはすごいね。どうぞどうぞ。それで、先生にも教えてくれよ」
「大使館にどうやって連絡したらいいですか」
「先生は知らないよ。先生は大使館にも行ったことがないから」
「じゃあどうしようかな」
「電話帳があるよ、そこに」

そこから、子どもたちは電話帳で電話番号を調べて電話をかけて、「○○小学校の6年△組ですが、社会科の歴史でイギリスのことを知りたいので、ちょっとお話を聞きに行っていいですか」と聞いたそうです。

「行くなら、何を聞くか最初に決めていくといいね。あと、どうやって記録取るの?」

先生は最低限のアドバイスや質問をします。そしてそれぞれ子どもたちだけで準備をして大使館に出かけていきました。すると、最寄り駅の職員から電話が学校にかかってきます。「おたくの学校の子どもたちが駅にいますけど、先生がいないので電話しました」

「うちのクラスの生徒です。行き先は知っているので大丈夫ですよ」

子どもたちは自分たちの力で取材をセッティングし、取材して、わかったことを報告し合い、それらを冊子にまとめました。

地球儀を持った小学生
写真=iStock.com/Milatas
※写真はイメージです

オーロラのことが知りたい

もう1つは、あるフリースクールでの話です。

ある生徒が、オーロラの写真を見ながら「オーロラのことを知りたいなあ」と言いました。もう1人が、「本当に綺麗だよな。でもこれ、本当は動いてるんだぜ。ときどき色も変わるんだって」。それを聞いてまた1人、「本当? 絶対見たい」と、オーロラを見たい生徒がどんどん増えていきました。

「どうしたらオーロラを見られるのかなあ」と考えているうちに、「寒い国に行くしかない」「アラスカに行こう!」「どうやって行くの?」「飛行機で?」と、どんどん話は進みます。

「でも、お金はどう手に入れるの?」

どうすればお金が集められるのか。みんなで知恵を絞り、バザーをやり、道端で「アラスカに行くお金を集めています」と募金を集め、とうとう八人でアラスカへ行くお金を集め、実現できたそうです。

1枚の写真をきっかけに、みんなで調べて、お金を集め、実際にオーロラを体験して、写真もたくさん撮影してくることができました。