「盛り上げたいタイプ」は明石家さんま風に反論を呼び水にする

もし、あなたが場を盛り上げたいと思うタイプの人で、しかも尋ねてきた友人との距離感も近いなら、明石家さんまさんのように、あえて反論を呼び水にして会話を盛り上げるのはいかがでしょうか。

ただし、これは話術の上級者向きです。

明石家さんまさんは、トーク番組で若手タレントさんが印象に残るように、会話のきっかけをつくり、チャンスを与えています。そのきっかけのひとつが、「そんなに好きなの? へえ、良さがさっぱりわからんな~、何がいいの?」とあえて反論をして、若手タレントから「こんなところが好きなんです!」と偏愛トークを引き出す話術。人は自分の好きなことを否定されると、強く相手を説得したいという気持ちになります。その心理を刺激することで相手の熱量も増し、会話が盛り上がります。

友人「メンバーの中で誰が好き?」
自分「A子さん、○○のファンなんだ。BTSのファンのこと、アーミーっていうんだよね。グラミー賞すごいよね」

など、関連する話をしてから

「いやあ、でもね、○○のどこが、そんなにいいのか正直わからないな~。どんなところが良いの?」

というようにわざと反論をして、友人にたっぷり主張させてあげるのです。

最後は必ず「ありがとう」で締めくくる

ただし、これはあくまで、会話による社交術。決して、ディスカッションにならないファシリテーションスキルが必要です。

最後は、「ありがとう。これだけ魅力を教えてもらったら私も興味が出てきた。YouTube見てみるわ」とあなたが伝えることで、その場が心地よい雰囲気に包まれるところに着地してください。

そもそも、あなたが、場の雰囲気を壊して「空気が読めない人」になりたくないと思っているのは、集団生活におけるコミュニケーションを大切にしている証拠。他人の立場や心情に配慮しながら行動できる人です。どうぞ自信をもってください。

ぜひ、会話を感じよく仕切って、仕事ができるビジネスパーソンを目指しましょう。

阿隅 和美(あすみ・かずみ)
WACHIKAコミュニケーションズ代表

青山学院大学経営学部卒業。中部日本放送アナウンサーを経て、NHK衛星放送キャスターとして、株式市況、世界のトップニュースを10年担当。20年にわたり、スポーツ、経済、情報番組に関わる。アナウンサー名は瓶子和美。現在は、TV現場で培った技術を活かし、ビジネス現場でコミュニケーション力を発揮し、成果を出す人材を育成する研修、講座、講演を行っている他、経営層・管理職、エグゼクティブリーダー向けプレゼン・スピーチのパーソナルトレーニングやコンサルティングなどを実施している。著書に『心をつかみ思わず聴きたくなる話のつくり方』(日本能率協会マネジメントセンター)、『仕事ができる人の話し方』(青春出版社)があり台湾でも翻訳されている。ホームページ