“どす黒い感情”と向き合えると、心が軽くなる

「嫌いな人」がどんな人なのかも説明したい。

阿部広太郎『それ、勝手な決めつけかもよ? だれかの正解にしばられない「解釈」の練習』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
阿部広太郎『それ、勝手な決めつけかもよ? だれかの正解にしばられない「解釈」の練習』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

「レディー・我々」私が! 私が! と我が強く、あまりにも主張が激しい人

「揚げ足鳥太郎」良いところに目を向けず、人の揚げ足ばかりを取ろうとしてくる人

「言い訳大臣」言い訳しているばかりか、ふんぞり返って偉そうな人

「縁の下の太鼓持ち」縁の下で支えるというより、媚びへつらってばかりいる人

「妖怪二枚舌」あっちこっちで人を欺くような都合の良いことばかり言っている人

「嫌い」という感情の取りあつかいには気をつけたい。

このワークショップをやってみて感じたことがある。

「粗探しをする人」「傲慢な人」「自慢話ばかりする人」など、ダイレクトな表現で「嫌い」を表現する人が多かった。人は、好きよりも嫌いなことを言う方が饒舌になるし、歯止めがきかなくなるのだと思う。悪口で盛り上がることも、だれしも一度は経験したことがあるのではないだろうか。

だからこそ、オブラートに包むことを心がけたい。

それはつまり、ユーモアに包むということだと考えている。

まず、自分にとっての嫌いな人とは何か?を捉える。

そこから、「レディー・ガガ」「大臣」「妖怪」のようにみんなの知っている名称にひもづけてみたり、「揚げ足鳥太郎」のように擬人化してみたり、自分の口から外に出る時に、やわらかく包む。

「ああ、なるほど!」と自分にも相手にも受け取りやすくしてあげる。というのも、「嫌いだ」というどす黒い感情は、放置しておくと炎症が広がっていくし、抱えていると支配されてしまう。棘をつくり心の中を転がり出してチクチクするし、考えたくもないのに気になってしまう。そういう時こそむしろ「嫌い」を見つめよう。