レッドもブルーも関係ない「すきまオーシャン」
この2つの例にみるように、逆境の中でさえも最大限に楽しみつつ目の前の課題を一つひとつDIYで解決することを選択したからこそ、新しい発見やアイデアのタネが生まれたといえます。
結果、世間でいわれるレッドオーシャンでも、ブルーオーシャンでもない、「すきまオーシャン」とでもいうべき新しいフィールドを開拓してしまいました。
「復興」という特殊な過程だからこそ生まれた新しい視点かもしれませんが、かといってそれは被災地に限らず、日本はもとより全世界においても再現可能なことではないでしょうか。
逆境を力に変えるには
そして僕たちは今、ここで取り上げたイトナブの古山くんや石巻工房の千葉さんのような「とりあえずやってみた」人たちを講師に招きながら、その成功の秘訣を探るための講義を開催する、「とりあえずやってみよう大学~UNIVERSITY OF DON'T THINK, FEEL」という市民大学を立ち上げました。
「すきまオーシャン」を開拓した人たちの経験と声には、これから起業したい人やローカルを活性化するためのアイデアとヒントが満ちあふれています。
「DON'T THINK, FEEL」という言葉は、かのブルース・リー先生がよく使われていた言葉です。カンフーという唯一無二の武器を持って、映画界で新しい道を切り拓いていったブルース・リーの精神性は、東北で巻き起こったイノベーションに通ずるものがあり、時に考えるより先に行動する精神は、石巻でのローカルベンチャーズたちの成功から見ての通り、これからの未来により必要となる大切な考え方となっていくでしょう。
皆さんも、もし何かチャレンジしたいようなことがあれば、ぜひ「とりあえずやってみる」ことをお勧めします。そうすれば、あなただけの「すきまオーシャン」が見つかるかもしれません。
考えるより先に行動する「とりあえずやってみる」精神は、「すきまオーシャン」という活躍の場につながる。
電通の中に実在する特殊クリエーティブチーム。広告業(=A面)以外に、個人的なB面(=私的活動、すごい趣味、前職など)を持った社員が集まって組織されている。2014年7月発足。DJ、建築家、小説家、スキーヤー、平和活動家、AIエンジニアなど、現在56人の特任リサーチャーが1人1つの得意ジャンルを常にウォッチし、情報を収集、現代に必要な独自の「オルタナティブアプローチ」を開発し、社会と企業に提供している。チームのスローガンは「Curiosity First」。https://bbbbb.team/
ISHINOMAKI2.0創設メンバー。A面では建築業界のクリエイティブプロデューサー。温泉、スノーボード、ハワイ島、地元八戸をこよなく愛する。