『「超」勉強法』など、“学び”に関する幾多の著作で知られる野口悠紀雄一橋大学名誉教授は、「コロナ禍、そしてAI時代のいま、『独学』ほど重要なものはない。大学で学ぶ機会のなかった人も、学部レベルの勉強は独学でも十分可能。勇気をもって一歩を踏み出そう」とエールを贈る。多くの人に独学のすばらしさを伝えるべく、このたびセブン‐イレブン限定書籍『人生を変える「超」独学勉強法』を刊行。自身の体験を通して語る「人生の可能性を切り拓く極意」とは──。(第1回/全3回)

※本稿は野口悠紀雄『人生を変える「超」独学勉強法』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

「独学」があなたの無限の可能性を拓く

独学によって、無限の可能性を拓くことができる。これをできるだけ多くの方に知っていただきたいと願って、今回『人生を変える「超」独学勉強法』を書いた。

技術進歩が加速化している。つねに新しい知識を吸収していかなければならない。また、人生100年時代といわれるように、働ける期間も長くなっている。学生時代に勉強したことだけで仕事を進めるのは、困難になりつつある。このため、社会人になっても勉強を続けることが必要と、多くの人が認識するようになった。

ただし、そう思ってはいるものの、「いったい、どうやって勉強を進めたらよいのか、その具体的な方法が分からない」と考えている人が多い。そうした方々に対して、独学こそが最も効率的な勉強法であると指摘したい。

それだけではない。独学はなにより楽しいものである。ぜひとも独学の素晴らしさを実感していただきたい。

草の上に座っている若い女性はコーヒーを飲みながら本を読んでいる
写真=iStock.com/Alina Rosanova
※写真はイメージです

飛躍的に改善された「学びの環境」

独学を進めるための条件は、10年前、20年前に比べれば、飛躍的に改善された。その時代には想像もつかなかったほどさまざまな手段を、いまは簡単に利用することができる。

野口悠紀雄『人生を変える「超」独学勉強法』(プレジデント社)
野口悠紀雄『人生を変える「超」独学勉強法』(プレジデント社)

とくに、検索技術を駆使してウェブから情報や知識を引き出すことができる。これによって、一昔前とは比べものにならないほど効率的に独学を進めることができるようになった。

このような条件変化を、最大限に活用すべきだ。

新型コロナウイルスの感染拡大で在宅勤務が広がり、自由に使える時間が増えた。この時間を無為に過ごしてしまうか、それとも勉強にあてて能力を高めることに使うか。

このどちらかによって、コロナ後の世界におけるあなたの地位は、大きく変わるだろう。