敏感スイッチをオフにする時間をつくろう
周囲の空気を敏感に察知するHSPさんは、他人といると心がなかなか休まらないことが多いです。敏感スイッチがつねにオンになっていて、張りめぐらされた神経のアンテナがピリピリしている状態です。
こんな状態で一日過ごしていたら、どんな人でもクタクタになってしまうでしょう。
HSPの気質と折り合いをつけて暮らしていくには、仕事の合間にも敏感スイッチオフの時間を確保する必要があります。
敏感スイッチは自動的にオフにできないので、自分で意識してオフにしなくてはなりません。この操作ができるかどうかで、HSPさんの生活の質ががらりと変わります。
職場では、ひとりになれる場所を見つけておきましょう。給湯室や人のあまり通らない廊下、階段の踊り場はどうでしょうか。更衣室やトイレでもOKです。
お昼には、いつも同僚とランチに行くのではなく、ときにはお弁当を持参してデスクで食事をとるのもいいでしょう。知り合いがあまりいないカフェを見つけておくと、ひとり静かに息ぬきできます。
休憩時間の仮眠は、とくにおすすめです。前述のように、数分間目を閉じて休むだけでも刺激を大幅にシャットアウトできます。
できれば一日に1時間以上ひとりの時間を確保するのが理想的ですが、現実的に難しければ、数分ずつの細切れでもかまいません。敏感スイッチのオンとオフを切り替え、高ぶった神経を休ませてあげましょう。
「マイ鈍感グッズ」を持ち歩く
気持ちが高ぶったり不安定になったりしたとき、自分なりの「マイ鈍感グッズ」を持っていると安心です。スヌーピーの漫画に登場するライナスの毛布のように、安心感を与えてくれるお気に入りのグッズです。
マイ鈍感グッズは、自分にとって「これがあると落ち着く」という物なら、なんでもOK。神社のお守りやキャラクターグッズ、好きな本でもいいでしょう。
また、肌ざわりのいいフェイスタオルやブランケット、ビーズのクッションなど手ざわりのいい物を職場に置いておくのもおすすめです。心地よい刺激は、不快な刺激を抑える効果もあります。
HSPさんは人との境界線があいまいなので、身に着ける物で肌を隠すとバリアが強化され、気持ちが落ち着くことがあります。
通勤電車で疲れる人は、スカーフやマフラーで首回りをおおってみましょう。
また、マスクも顔の大部分が隠れるので、とても効果的な鈍感グッズです。すでに実感しているHSPさんは多いかもしれません。
産業医・精神科医・健診医として活動中。産業医としては毎月30社以上を訪問し、精神科医としては外来でうつ病をはじめとする精神疾患の治療にあたっている。ブログやTwitterでも積極的に情報発信している。「プレジデントオンライン」で連載中。