疲れたときは3分間、目を閉じる

HSPさんは刺激に敏感で疲れやすい人が多いのですが、仕事中には思ったように休憩がとれないこともあります。そんなときおすすめなのが、「目を閉じること」です。

人は、外界から受ける刺激のうち8割が視覚によるものとされています。このため、目を閉じて視覚情報をへらすだけでかなりの刺激がへり、脳や体を回復させることができるのです。リラックスしている人の脳からはα波という脳波が発生しますが、じつは目を閉じただけで、α波が発生することがわかっています。

疲れたら、3分間続けて目を閉じてください。寝てしまいそうなら、半開きでもかまいません。3分間ボーッとするだけで神経が休まり、心身がリラックスします。イヤホンや耳栓を使ってもいいでしょう。

お昼休みや残業前の仮眠も、心身のリフレッシュに役立ちます。

耳栓で音をシャットアウトしたり、好きなBGMを流すとさらにリラックス効果が高まります。BGMはクラシックに限らず好きな曲でかまいませんが、歌詞のないもののほうが、気分が落ち着くという人が多いようです。

焦ったときは「両手で作業」

突発的な仕事を頼まれたときや、予定外のことが起きたとき、HSPさんは焦りを感じることが多いのではないでしょうか。そんなとき、「がんばらなきゃ」と、せかせか動くのに仕事ははかどらず、ミスを重ねて悪循環にはまります。これは「焦り」に行動が支配されている状態です。

こんなとき参考になるのが、「行動から感情が生まれる」というジェームズ=ランゲ説です。これは、感情に行動を支配させず、行動によって感情をコントロールするというもの。いわば、「楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しいのだ」という考え方です。

ジェームズ=ランゲ説は、いろいろな応用ができます。たとえば気持ちが落ち込むと姿勢も悪くなりますが、背筋を伸ばしてシャキッとすれば気分も上向きに。

焦っているときにおすすめなのは「両手で動作を行う」こと。せかせかしていると、たいてい人は片手で雑な動作をします。「焦っている」と感じたら、あえて両手で物を持ち、丁寧に行動してください。落ち着いた行動をとっているうちに、心は落ち着きをとり戻すでしょう。