※本稿は、伊藤羊一『1分で話せ2【超実践編】』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。
わからなさすぎて、質問のしようがない
「何言っているかわからないから質問のしようがない」
そう感じたことがある方も多いのではないでしょうか。
話している人から、「わからないことがあったら聞いてね」と言われても、そもそも相手の話がわからなければ質問もできません。
僕も30歳を超えるぐらいまで、「わかるようなわからないような状況で、全部わかるとは到底言いがたいんだけど、どう質問していいかわからない」みたいなことは、めちゃくちゃありました。
これは頭の中に、「結論」+「根拠」+「たとえば」の「ピラミッド」がないから。だから、能動的に質問をすることができないのです。
「ピラミッド」を意識せず、ぼーっと聞いていると、「部長がなんか言っていたわ」「まあいいんじゃない」みたいなことで終わってしまうのですね。もしくは、仕事の指示であれば「まあこんなことかな」と曖昧なまま進めてしまって、あとでずれに気づいて、大変なことになることもあります。
わかりにくい話に挟むべき質問3つ
でも「ピラミッド」をイメージしながら聞いていけば、「相手が話しているのはこういうこと?」と自分の中で仮説を立てられます。するとその話の何がわからないかが明確になり、質問すべき内容に自信が持てます。
たとえば、課長が
「うちの商品ポスター誰も見てくれてないような気がするんだけど、A社の広告を見たら人気絵本作家さんのイラストを使っていて話題になっていたじゃない。そういえば、今ツイッターとかで人気の漫画家さんのコミックスも売れてるよね。で、どうかな?」
と話しかけてきたとします。そんなとき、
「『見てくれている人がいない』というのは、あまり話題になっていない、ということだと理解したのですが、どうですか?」(根拠の確認)
「ツイッターで人気の漫画家さんだと口コミがつくれるというつながりがわからないのですが、どうですか?」(つながりの確認)
「ツイッターで人気の漫画家さんを起用したいということだと解釈したのですが、いかがですか?」(結論の確認)
と質問がしやすくなります。「この人の言っていることは結論がない」とか、「根拠がおかしい」とか、「今、話がずれてきている」と気づきながらも、話をさばいていけるわけです。慣れるまで時間がかかる方もいるかもしれませんが、ここをきちんとやっていくことが大事です。