「投資は利己的で、寄付は利他的」ではない

それに寄付したことで「人の役に立つことをした」「困っている人を自分が助けてあげた」と感じますから、とてもしあわせな気分になれます。一見すると投資は自分が儲けるためにやるのだから「利己的」なことで、寄付は人にためにお金を出すのだから「利他的」な行動だと思いがちですが、決してそんなことはありません。

投資にも世の中で必要とされるところへお金を回すという意味では世の役に立つ立派な利他的行為であり、逆に寄付することは自分の心の満足を得るためでもあるので、これは利己的な行為とも言えます。もちろんこうした寄付はある程度生活に余裕がなければできないことかもしれません。でも誰もが自分のできる範囲内で困っている人たちに対してお金を回してあげるというのはとてもすてきな行為だと思います。

寄付をしたことがある人の割合、日本は64位

ところが、残念ながら、日本人は投資も寄付もあまりやりません。欧米に比べると投資をしないということは割と良く知られていますが、寄付もしないのです。英国のチャリティ団体Charities Aid Foundation(CAF)が公表している世界寄付指数(World Giving Index)というのがありますが、2019年に発表された数字を見ると「寄付をしたことがある人」の割合では日本は世界で64位、23%の人しか寄付をしていません。日本よりもずっと貧しい国であるスリランカでも50%、インドネシアでは69%の人が寄付をしています。そして寄付する人の割合が世界一なのはなんと今大変な騒動になっているミャンマーで81%の人が寄付をしているというのです。

つまり日本人は投資もやらないし、寄付もやらない、(その割にはビットコインやパチンコのような博打は大好きですが)ということで、結局お金そのものが大好きなんですね。お金を大事に手元に置いておきたがる。でもそれってあまりかっこいいことではないと私は思います。