役所や企業も土日祝日なし、365日いつでも休めるように
病院や役所、企業においても土日祝日を廃止し、各人が365日いつでも休める体制にすれば、医療や行政サービスの空白期間を解消できますし、休みを分散することで密を回避することが可能です。まずは役所から始めるのがよいでしょう。職員(公務員)の人数を増やして365日、行政サービスを提供し、順番で休みを取る交代勤務にするのです。
こう書くと、「365日働かされる」「有休さえとれないのに。ブラック企業を甘く見てはいけない」といった声があがります。でもそういう悪質な経営者が放置される仕組み自体がおかしいのですから、本来はそこに対しておかしいと声を上げるべきなのではないでしょうか。
無理な理由をあれこれ考えるのではなく、この機会を休日についてゼロベースで考える機会にしたいものです。
今年のGWはずらして休んでみる
GWの過ごし方に話しを戻すと、「今年のGWも巣ごもりをしているべきなのか」と問われれば、医者としては「そうです」と言わざるを得ません。しかし、2年続きの「巣ごもり」ではフラストレーションが溜まるばかりです。オンライン・ゲームやチャットで友達と交流できる中高生はともかく、学童や地域のイベントが縮小された小学生のお子さん達は可哀想ですね。
この場合も、GWだから有名な観光地やテーマパークに行かなくちゃ、という発想は一旦わきにおいて、まず「家族単位」、「人工的な密空間を避ける」、「屋外=自然」、「人の流れに逆行する」をキーワードにできることを探してみましょう。これを機会に家庭菜園を借りてみる、川釣りや自然散策を楽しむなど、工夫次第で密を避けながら楽しむ手はいくらでもあります。インドア派であれば家族と一緒に「ごっこ遊び」を楽しんだり、大きな地図を買ってきてバーチャルな冒険旅行計画を立てても面白いかもしれません。
どうしても観光地やテーマパークに行きたいときは、ここでも発想を変えてGWが終了した後の平日に家族の「遊休」をとってみませんか。近未来へ向けた試運転というわけです。「密」を避けながらリーズナブルに遊べますし、親と一緒に「普段は許されない、特別な1日」を味わうことで、子ども達のストレス解消にもなりそうです。
構成=井手ゆきえ
1968年生まれ。医師。10年間、外科医として大学病院などに勤務した後、現在は在宅医療を中心に、多くの患者さんの診療、看取りを行っている。加えて臨床研修医指導にも従事し、後進の育成も手掛けている。医療者ならではの視点で、時事問題、政治問題についても積極的に発信。新聞・週刊誌にも多数のコメントを提供している。2024年3月8日、角川新書より最新刊『大往生の作法 在宅医だからわかった人生最終コーナーの歩き方』発刊。医学博士、臨床研修指導医、2級ファイナンシャル・プランニング技能士。