賃貸、不動産販売が不振。今後はコロナの影響次第
2020年4月の緊急事態宣言を受け、「テレワーク推奨でオフィスは閉まるところもあり、商業施設も休業。大手企業では本社を縮小して移転する動きも強まりました」(マネックス証券 マーケット・アナリスト兼インベストメント・アドバイザー 益嶋裕さん。以下同)。21年1月の2度目の緊急事態宣言発令で、商業施設などは再び時短営業に。
オフィス縮小や、商業施設の賃貸収入の低下、不動産の購入見送り、ホテル・リゾート施設の収入低迷などで、不動産業界は打撃を受けた。
不動産会社が競って、ワーケーションやサテライトオフィス、テレワーク用の施設やスペースの提供を始めているのは注目に値する。
大手でもヒューリックだけは賃貸事業も不動産販売事業も堅調で存在感を見せたものの、三井不動産、三菱地所、住友不動産の3社はいずれも21年3月期決算は営業減益の見込みだ。21年もコロナ次第では不動産業界は厳しい状況が見込まれる。
コロナで郊外志向が高まっているという見方もあるが「東京都のマンション価格はコロナ禍でも下落しておらず、現状では影響は限定的といえそうです」。