65歳まで加入できる人の条件
条件は、「国民年金に加入していること」。これはiDeCoに加入するための元々の条件で、フリーランスの方などで国民年金の保険料を納めていない場合などではiDeCoに加入できません。また会社員や公務員は国民年金に加入しており、定年後、再雇用や定年延長などで、60歳以降も会社員として働く場合、厚生年金に加入する働き方をする場合には、国民年金にも加入していることになります。したがって、会社員として働いている間(厚生年金に加入している間)は、65歳までは継続して加入できるというわけです。
自営業者やフリーランス、また会社員・公務員に扶養されている配偶者などは、原則、60歳以降に国民年金に加入できず、iDeCoに加入できるのは60歳までです。ただし、未加入期間があって国民年金保険料を満額納めていない(40年加入していない)場合は、その期間の分だけ、60歳以降も国民年金に「任意加入」できます。国民年金は20歳で加入が原則ですが、学生の間は保険料を納めなかった、転職の狭間に未加入期間がある、といった場合は、任意加入が可能であり、任意加入する間はiDeCoに加入できる、というわけです。
公的年金は、一生涯受け取ることができ、老後資金の強い味方です。国民年金の未加入期間があると年金額に影響しますから、任意加入の制度を知っておきましょう。
3.企業型DCに入っている人もiDeCoに入りやすくなる
2022年10月には、「企業型DC」に加入している会社員にメリットのある改正が行われます。企業型DCとは、企業型確定拠出年金のこと。退職金制度の1つで、企業が資金を拠出し、従業員自身が選んだ金融商品で運用する仕組みです。
会社員もiDeCoに加入できるのですが、現行の制度では、勤務先が企業型DCを導入している場合、会社の規約を一部変更する必要があります。22年10月の改正では、そうした要件が撤廃され、事業主の掛け金が拠出限度額(月額5万5000円)に満たない場合は、規約を変更することなく、iDeCoに加入できるようになります。掛金の金額は、「2万円以内、かつ、事業主の掛金と合わせて月額5万5000円を超えない範囲」です。
また企業型DCのほかに確定給付企業年金(DB)などにも加入している人は、事業主の掛け金が拠出限度額(月額2万7500円)に満たない場合にiDeCoに加入でき、掛金は、「1万2000円以内、かつ、事業主の掛金と合わせて月額2万7500円を超えない範囲」です。なお、DBに加入している場合の掛金の上限については、2023年以降、DBとiDeCoで計5万5000円に見直される予定です(時期は未定)。
勤務先の退職金制度は老後を考えるうえで重要なことですが、意外と「正確には把握していない」という人も少なくありません。どんな制度があり、掛金はいくらなのか確認してみましょう。