まだまだ認知度が低いSDGs
突然ですが、皆さんは日々の生活の中で、「SDGs」を意識していますか?
2015年秋、国連がミレニアム開発目標に関するサミットで「SDGs(Sustainable Development Goals)」、すなわち「持続可能な開発目標」を打ち出してから、5年超。日本でも一部のメーカーが、商品の成分やパッケージを、SDGsの全17の目標(ゴール)に沿ったものへと切り替え始めています。
とはいえ、現状の認知度は必ずしも高くないようです。
先日発表された調査結果を見ると、SDGsについて「詳しい内容まで知っている」と答えた事業所(調査対象:約1000カ所)は、わずか5%弱。「ある程度まで知っている」を合わせても、約3割に留まります(21年 アスクル調べ)。まだ予想以上に少ない印象です。
容器の再利用システムが日本上陸
そんななか、21年春、日本でも食品容器などの再利用システム「Loop(以下・ループ)」の展開に乗り出すのが、「ループ・ジャパン」。母体は、アメリカ発のスタートアップ企業、テラサイクルです。
理念は、「捨てるという概念を捨てよう」。世界21カ国200社以上の企業と手を組み、すでにアメリカやフランス、イギリスなどで新たなリサイクルやリユースシステムの構築に取り組んでいるのですが……、果たして日本での勝算は、どのぐらいあるのでしょうか。
「日本企業の多くは、平均的な米国企業より、はるかに環境意識が高い」と話すのは、同アジア太平洋統括責任者のエリック・カワバタさん。
「江戸時代、日本は人の排泄物も肥料として再利用するなど、ゴミゼロに近い社会を実現していたと言われます。鎖国中、島国で資源が限られていたこともあり、『もったいない』精神が根づいたのではないでしょうか」