接種はたった5分で終わり

そして2021年1月1日の予約当日、接種ブースに入ると、看護師が私のカードをコンピュータに通し、名前と過去のワクチン接種歴、アレルギー既往症をチェックしただけですぐに接種。「1回目の接種をしても、数日後にようやく効果が50%になるだけだから、くれぐれもマスク装着とディスタンスを守るように」と念を押された。

1回目の接種後にもらった証明書。ファイザー社のワクチンのロット番号や副反応に関する説明がある(筆者提供)
1回目の接種後にもらった証明書。ファイザー社のワクチンのロット番号や副反応に関する説明がある(筆者提供)

1回目の接種が終わると、かならず3週間後の2回目の予約が入れられることになっており、帰り際に受付で同クリニックに予約を入れてもらった。

接種はブースに入ってから5分ほどで完了。それから15分ほど待機してアレルギー反応などが出ないか確認して終わりとなった。結局そこで話をしたのは案内係兼保安要員、接種担当看護師、受付の人だけで、医師の問診はなかった。

2日間ぐらいは腕が少し重かったが、それ以上の副反応はなかった。1回目に接種を受けたナザレは少し遠いので、「2回目の予約をどうしよう」と思って保健機構のマイページに入ってみると、システムは問題なく動き、またずいぶん予約可能な場所が増えていた。それで1月22日の予約を、家に近いユダヤ人居住地のクリニックに簡単に変更することができた。

22日の朝8時7分の予約だったので、8時前にクリニック入口に来てみると、事前予約がない人たちも数人いて「今日午後、別の場所に予約を入れているのだけど、都合が悪くなったからこっちに来てみた」などと案内係の男性に言っている。案内係は特に何もチェックせず、予約なしに来た人たちには順に整理券を配っていた。8時になると、予約がある人とない人は別々の待合室に通された。

2回目の接種が済むと、仮の接種済み証明書が発行された。また保健機構クラリットのグッズ(「私もコロナワクチン接種済み」と書かれた腕輪)ももらった。そしてすぐ、携帯電話に、すべての情報は保健省に送られ、後に正式な証明が来るというメッセージが届いた。

2回目の方が、副反応が強く出ると言われていたので少し不安だったのだが、確かに腕は1回目よりも重く、夕方には歯の根が合わないほどの寒気に襲われた。しかし夕食に温かいものを食べて寝たら、翌日には寒気はおさまっていた。

私は最初のワクチン接種対象グループに入っていたが、その後、対象は対面授業再開を視野に入れて高校までの教員に広げられ、年齢も徐々に引き下げられて、今では16歳以上及び、新型コロナウイルス感染症が重症化した妊婦が出たことを受けて、妊婦にも開かれている。

クリニックの入口。「みんなワクチン接種してコロナに勝つ」という標語が見える
筆者提供
クリニックの入口。「みんなワクチン接種してコロナに勝つ」という標語が見える