老後資金がいつまでもつかを見える化する

「老後の収入」「老後の支出」「老後資金の合計」の3つがわかれば、老後のお金の流れがつかめます。エクセルなどの表計算ソフトを使えば、よくわかるのですが、簡単な計算方法を紹介しましょう。

赤字となった場合は、老後資金を年間の赤字額で割ってください。そうすると老後資金がどのくらいもつのかがわかってきます。注目してほしいのは、「自分の老後資金がいつまでもつのか」という点です。

平均寿命を考えると、男性の場合はギリギリかもしれませんが、女性の場合はもっと長生きをします。さらにいうと、男性の場合も4人に1人は90歳まで生きています。これからも、いっそう寿命は延びていくと予想されますから、最低95歳までは資金が枯渇しないように考えないと、「老後破綻」ということにもなりかねません。

95歳を超えても資金が底をつかない人はとりあえず安心です。

しかし、途中でゼロやマイナスになった人は、かなり注意が必要です。「準備した老後資金が少なすぎた」「年金受給額が少ない」「支出が大きすぎる」など、人によって理由は異なりますが、このままでは老後破綻のリスクがあります。

キャッシュフロー表を作ることで、老後のお金が整理されます。そういった意味でも、老後のお金を「見える化」することは重要です。

キャッシュフロー表を見ながら、どこに問題があるのかを見極めて、老後資金をもう少し準備しておこうとか、旅行の費用が多すぎるので回数を減らそうかとか、老後のお金計画を健全にすることができます。

福岡 武彦(ふくおか・たけひこ)
ライフエレメンツ代表取締役

1960年生まれ。株式会社ライフエレメンツ代表取締役。税理士。大前研一氏が設立した起業家・アントレプレナー育成学校アタッカーズ・ビジネススクールを経て、以来30年以上にわたってアントレプレナー支援、インバウンド税務会計に携わっている。大手監査法人KPMGの金融・国際取引税務部、米国海外勤務、外資金融企業勤務を経て三聖トラスト会計事務所を設立。法人向けサービスとして、各分野の辛口の専門家をタレント化するプロダクション部を設ける。また、福利厚生や社員研修の一環として、オンデマンド研修、ビデオコンテンツ制作等をおこなうWEBライブイルミネーター事業を展開している。

長尾 義弘(ながお・よしひろ)
NEO企画代表、ファイナンシャルプランナー、AFP

徳島県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務。1997年にNEO企画を設立。出版プロデューサーとして数々のベストセラーを生み出す。新聞・雑誌・Webなどで「お金」をテーマに幅広く執筆。著書に『コワ~い保険の話』(宝島社)、『こんな保険には入るな!』(廣済堂出版)、『とっくに50代 老後のお金どう作ればいいですか?』(青春出版社)、監修書には年度版シリーズ『NEW よい保険・悪い保険』(徳間書店)など多数。