貧血に効く食品&正しい食べ方

鉄欠乏性貧血を改善するためには、ヘモグロビンの材料になる鉄とたんぱく質をしっかりとることが大事です。毎日の食事で鉄を効率よくとるために知っておきたいのが、鉄は食べた分がすべて吸収されはしないということ。

佐藤智春『その不調、栄養不足が原因です』(主婦の友社)
佐藤智春『その不調、栄養不足が原因です』(主婦の友社)

そして、鉄には2種類あり、動物性食品に多いヘム鉄は吸収率が30%であるのに対し、植物性食品に含まれる非ヘム鉄は5%以下。つまり、ヘム鉄の食材を優先して食べるのが正解です。ほうれんそうや小松菜に含まれるのは非ヘム鉄であるため、肉や魚、卵などのたんぱく質といっしょにとると効果的です。

さらに、鉄の吸収に欠かせないのが、ビタミンCとの組み合わせ。たとえば、牛赤身肉のソテーにレモン汁をかけたり、パプリカやトマトを添えたり。食後のデザートにかんきつ類を食べるのもいいですね。鉄は意識して毎日コツコツとることが大事です。

鉄分豊富な食材リスト

以下にヘム鉄が多い食材、非ヘム鉄が多い食材をリストアップしました。ヘム鉄も非ヘム鉄も、たんぱく質やビタミンCをあわせてとると吸収がよくなります。

※いずれも100gあたりの含有量

吸収率 30% ヘム鉄が多い食材

● 豚レバー 13.0mg
● 牛ヒレ肉(輸入牛) 2.8mg
● 牛肩ロース赤身肉(輸入牛) 2.4mg
● カキ 1.9mg
● かつお 1.9mg
● めばち 1.4mg
● 豚ヒレ肉 1.2mg
● あさり(水煮缶) 29.7mg
● 牛もも赤身肉(輸入牛) 2.6mg
● いわし 2.1mg

吸収率5% 非ヘム鉄が多い食材

● 納豆(糸引き) 3.3mg
● 菜の花 2.9mg
● 枝豆(さやつき) 2.7mg
● 厚揚げ 2.6mg
● ほうれんそう 2.0mg
● 卵 1.8mg
● 小松菜 2.8mg
● 焼きのり 11.4mg

ビタミンCが多い食材

● 菜の花
● ブロッコリー
● パプリカ
● ゴーヤー
● 甘柿
● キウイ
● いちご
● オレンジ

佐藤 智春(さとう・ちはる)
バイタルアナリスト®

分子整合栄養医学協会認定・分子整合栄養アドバイザー。バブル時代、スタイリストとして多忙をきわめ、体調をくずす。1995年より分子整合栄養学を金子雅俊氏に師事。その後、セルフメディケーションの提案をライフワークとする。キャリアアップを目ざす多くの女性に向け、ライフステージ・マネジメント®講座や企業の講演も行っている。著書に『卵を食べれば全部よくなる』(マガジンハウス)、『男は食事で出世させなさい』(ポプラ社)、『中高生の身長を伸ばす7つの習慣』『その不調、栄養不足が原因です』(ともに主婦の友社)などがある。