コロナ禍で、ますます注目を集めるESG投資。なぜ話題なのか。一体どういう企業に投資することなのか。またリターンはどうなのかをESG研究の第一人者に聞いた

国連が主導して長期にリスクをなくすため

ESGとは環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)の3つの頭文字をとったもの。ESG投資はこの3つの視点から投資することを意味します。

コインは、緑の植物が成長して木のテーブルの上に積み重ねます。お金節約ビジネスファイナンス成功富投資予算概念。スタートアップ計画。
※写真はイメージです(写真=iStock.com/Thithawat_s)

あくまで例ですが、Eなら、CO2の削減に積極的に取り組む企業、Sなら従業員が働きやすい社内制度を整えている企業、Gなら取締役の人種や性別に偏りがないなどの取り組みをしている企業がESGに配慮していると見なされます。

ESG投資は2006年に、国連の当時の事務総長コフィー・アナン氏が責任投資原則(PRI)を提案したことから始まりました。PRIは保険会社、銀行、年金基金、投資顧問会社など、大量の資金を株式や債券に投資して運用する大口投資家(機関投資家)に対して、企業の財務情報だけでなく、ESGの視点も併せ持って、地球や社会が持続可能であるよう、投資先を選ぶように呼びかけたものです。特に長期の視野で投資先を決める機関投資家がESGに配慮して投資すれば、企業もESGを意識せざるをえなくなる。結果的に世の中が持続可能な方向に向かうという考え方です。