無意識のうちに周囲に同調してしまったり、都合の良い部分だけ信じてしまうなど、人間の特徴と対処法を知っていれば、今よりもずっと生きやすくなるはず。数ある世界の科学的な研究を紹介します。

※本稿は堀田秀吾『図解ストレス解消大全』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。

十二支が描かれたカード
写真=iStock.com/9dreamstudio
※写真はイメージです

人は同調圧力に屈しやすいもの

強い信念をもっていたとしても、まわりの圧力に押しつぶされそうになる──。いかにもストレスのたまりそうなシュチュエーションです。

多数派の意見や、周囲の反応に合わせてしまう人間の心理をあらわにした、スワースモア大学のアッシュによる有名な実験に、「アッシュの同調実験」と呼ばれるものがあります。

基準となる1本の線が書かれたカードと、長さの異なる3本の線が書かれたカードを被験者に見せて、前者のカードの線と同じ長さのものを、後者のカードのなかから選ばせるという実験を、以下の条件で行いました。

•7人の集団で12回行う
•7人中6人はサクラで、本当の被験者は7番目に回答する
•6人のサクラは12回のうち7回、全員が同じ誤答をする

アッシュの同調実験とは
※出所=堀田秀吾『図解ストレス解消大全』(SBクリエイティブ)

結果、37パーセントの被験者が、一度は間違った回答をしてしまったのです。間違うのは、サクラ6人が全員一致で誤答したときもっとも多く、1人でも正解を言うサクラがいると正解率は大きく上がりました。

37%の被検者が間違った回答をしてしまった
※出所=堀田秀吾『図解ストレス解消大全』(SBクリエイティブ)

この結果から、正しいものを選んだとしても、同調圧力が働き多数派の意見になびいてしまうこと、少数派であっても味方がいてくれれば自分の気持ちを正直に言いやすい傾向があることがわかりました。