4.会議が活性化するチャットの使い方をマスター

また、プレゼンを双方向にするため、オンライン会議ツールならではのチャット機能を活用しましょう。始めるとき、参加者に「質問を思いついたら、チャットの方に書き込んでおいてください」と言っておきます。リアル会議では「質問がありますか?」と問いかけても誰も手を挙げず、シーンとなってしまう場合が多いもの。参加者も「今はタイミングが悪いかな」と思ったりしてためらいますよね。質問を出しやすいというのはオンラインのメリットです。そして、プレゼンがひと段落したところで「ここまでに出していただいた意見を見てみます」と言って、チャットを開きます。この方式ならば、参加者も「いつでも質問していいんだな」と思えますね。質問だけでなく、感想を書いてもらうのも効果的です。

他にも、Zoomにはホワイトボードとして複数の人が同時に書き込める機能もありますので、それを使って意見をもらうこともできます。

アフターフォローとしては、参加者全員がいる場では意見を言いにくそうにしている人がいたら、名指しして「このあと5分だけ残ってもらえますか」とお願いする。リアルなオフィスではプレゼンが終わった後に追いかけていって立ち話をするという裏技も使えますが、オンラインではそれができないですし、後からメールでフォローしてもタイムラグができてしまうので、そこは思い切って提案してみましょう。

オンライン会議にはさまざまな準備が必要ですし、コミュニケーションや資料作成の点でもこれまで以上に工夫をしなければなりません。しかし、リアルな会議と比べてみると、メッセージを効率良く伝えられるのはオンラインの方ではないでしょうか。リアル会議のようにとりあえず会う、集まってみるという感覚がなく、「何を伝えるべきか」「何を決めるべきか」ということが明確になって初めてオンライン会議は成立するので、生産性は自然と上がっていくと思います。そんなリモート時代ならではのメリットを活かして、ぜひ効率的な新しい働き方を確立させていきましょう。

構成=小田 慶子 写真=iStock.com

清水 久三子(しみず・くみこ)
AND CREATE 代表取締役

大手アパレル会社を経て、プライスウォーターハウスコンサルタント(現IBM)に転職。企業変革、新規事業戦略立案・展開プロジェクトなどのリーダーとして活躍後、2013年に独立。人材開発や育成、企業変革などの分野で執筆、講演、コンサルティングを行う。『プロの資料作成力』(東洋経済新報社)など著書多数。