シンガポール在住、ファイナンシャル・プランナーの花輪陽子です。シンガポールでは新型コロナウイルスの影響で2020年4月上旬から6月中旬まで外食や他人との面会ができない日々が続いたのですが、6月中旬頃から段階的な経済解放が進んでいます。そんな中、第二波を防ぐためにシンガポールで行われている対策をご紹介しましょう。
COVID-19を避けるためにフェイスマスクを着用したシンガポールのビジネスウーマン
※写真はイメージです(写真=iStock.com/andresr)

行く先々でQRコード入力、政府に記録を送る

シンガポールはコロナの初動をうまく抑え込めたものの、欧米からの帰国者や外国人労働者などの感染が増え、自宅で待機しなければならない期間が約2カ月間ありました。シンガポールでは第二波を防ぐためにレストランやジムなど行く先々でQRコードをスキャンして入退出記録を政府に送っています。ショッピングモールの入り口と、さらに個別の店舗でも記録をしなければ入場できません。また、それぞれで熱も測ります。モールによってはサーモグラフィーや近づくと検温ができる体温計の機械が設置され、投資額も半端ないと感じます。最初は少し抵抗があったQRコード入力に関しては慣れてしまいました。メディアでは感染者が滞在した場所が報道されていますが、それによって住民は情報を知ることができ、安心をして過ごすこともできています。

また、外出時にはマスク着用義務があります。飲食店に入る際も、食べている間以外はマスクをつけていなければなりません。話している間は基本的にマスクをする必要があるわけで、違反すると罰金です。フェイシャルエステサロンのスタッフや調理スタッフなどはフェイスシールドに加えてマスクをしています。マッサージなどを受けることもできますが、行きつけのサロンではマッサージをする人はマスクにビニール手袋を着用し、顧客の手足を消毒してから施術という工夫をしていました。受ける側もマスクをしました。子供の学校でも2歳以下の低年齢の子供を除いてはマスクもしくはフェイスシールドをつけなければなりません。給食も配膳ではなく、パックされたお弁当になっています。各地で徹底した衛生管理が行われているので安心ではあります。