※本稿は前田浩『ウイルスにもガンにも野菜スープの力』(幻冬舎)の一部を再編集したものです。
ウイルス予防のために知るべきは「吸収学」
最近では野菜が健康に良いという情報は、多くの雑誌やメディアから発信されていますが、改めて健康食としての野菜に光を当ててみたいと思います。
これまでの栄養学では食材が持つ栄養素を、試験管の中でしか調べていませんでした。しかし、実際にヒトの身体の中に入って吸収されて初めて、その栄養素が活躍できるのであって、吸収されないで腸を通過し、便として排出されてしまっては、まさに宝の持ち腐れ、何の役にも立っていないことになります。
大切なのはどの野菜にどんな栄養素がどれくらい入っていて、有効な成分をヒトの体内でどうすれば効率よく吸収できるかを研究することです。
栄養学も大事ですが、さらに大切なのは「吸収学」なのです。
1日に必要なカロリーも、ビタミンやタンパク質の量なども、実際には食べたものが100%吸収されるわけではありません。その人その人の体調や体質によっても異なります。また、空腹時(絶食後)と、そこそこお腹いっぱいのときでは、吸収率は大きく異なります。同じ食材でも、調理法によって差が出ます。
いかにしたら、口から入れた食べ物の吸収率を高めることができるのか、それぞれの食材が持つ栄養成分を効率良く身体に取り込めるのか? 今こそ吸収学の視点と工夫が必要だと思います。