文系目線で読んで、数学的思考をモノにする

最近は新しい切り口のユニークな数学本が増えてきました。

方程式や確率論などを五七五七七のリズムにのせた歌集『愛×数学×短歌』や、日本古来の“和算”に着目した歴史も一緒に学べる『夢中になる!江戸の数学』。これらは、わからない数式をスルーしても純粋な読み物として最後まで楽しむことができるし、おもしろいがゆえに「この計算ってどういうこと?」と自然と読み返したくもなります。文系女性でもアレルギーを起こすことなく、数学に親しむことができるのです。

学び直しのための勉強本も近頃はとても人気です。算数レベルの計算から微分積分まで。わかりやすい説明で丁寧に導いてくれる良書をピックアップしました。数学力をつける、ひいては、考えて理解する思考力を高めるうえで役立ちます。

文系目線で読んで、数学的思考をモノにする

構成=安井洋子 撮影=冨田寿一郎

冨島 佑允(とみしま・ゆうすけ)
CFA協会認定証券アナリスト

1982年生まれ。京都大学理学部卒業、東京大学大学院理学系研究科修了。外資系生命保険会社に勤務し、10兆円の資産の運用に携わる。金融マンであると同時に科学や数学にも精通。著書に『日常にひそむ うつくしい数学』(朝日新聞出版)など。

中島 さち子(なかじま・さちこ)
数学研究者/ジャズピアニスト

1979年生まれ。東京大学理学部数学科卒業。96年に国際数学オリンピックで日本人女性初の金メダル獲得。現在NYと日本を往来し活動。数学の魅力を伝えるサイト「数理女子」ではワークショップ企画・講師を担当。著書に『音楽から聴こえる数学』(講談社)など。

篠崎 菜穂子(しのざき・なおこ)
フリーアナウンサー/数学の翻訳家

1974年生まれ。理工学部数学科を卒業後、中学・高校の数学教師を経てフリーアナウンサーに。放送大学「入門線型代数」の聞き手をはじめ、数学関連の司会を多数担当。著書に『はたらく数学 25の「仕事」でわかる数学の本当の使われ方』(日本実業出版社)。