自然に隠された数学的法則を知り、苦手を克服
複雑な方程式や計算式を使って問題を解く学問的なことだけが数学の世界ではありません。
たとえば、花びらの枚数やヒマワリの種の整った配列は「フィボナッチ数」という数列に基づいていますし、太陽のまわりの時空は「アインシュタイン方程式」の計算どおりにゆがんでいます。美しい雪の結晶や水の流れもしかり。実は、私たちの目の前に広がっているあらゆる自然現象の中に、数学的法則が隠されているのです。
そんな神秘的な世界を教えてくれる書物を開けば、どんな数学嫌いな人でもその不思議に心動かされることでしょう。そして、身のまわりの物事を数学的視点でとらえる感覚が自然と養われるはずです。
数学的な感性を養い、創造力に磨きをかける
数や数式なんて見るのもイヤ!という人でも、アートを入り口にすれば、きっと数学を見る目が変わるはずです。
数学的な論理と芸術的な感性は密接に結びついているもの。数学とアートを融合した本も最近は増えつつあります。上で紹介した本には、「フラクタル」という数学の概念や、幾何学的な要素で織りなされた絵などが載っています。ページを繰っていけば、「数学って美しい!」と感じるはず。そして、その美しさと数学の関係に興味が湧くでしょう。
この類いの本から、徹底的に考えられた数学的な構造の背後にある美の表現というものをたくさん学びました。私はジャズピアニストとしても活動していますが、数学は、表現力や創造力に確実に影響を与えていると感じています。
文系目線で読んで、数学的思考をモノにする
最近は新しい切り口のユニークな数学本が増えてきました。
方程式や確率論などを五七五七七のリズムにのせた歌集『愛×数学×短歌』や、日本古来の“和算”に着目した歴史も一緒に学べる『夢中になる!江戸の数学』。これらは、わからない数式をスルーしても純粋な読み物として最後まで楽しむことができるし、おもしろいがゆえに「この計算ってどういうこと?」と自然と読み返したくもなります。文系女性でもアレルギーを起こすことなく、数学に親しむことができるのです。
学び直しのための勉強本も近頃はとても人気です。算数レベルの計算から微分積分まで。わかりやすい説明で丁寧に導いてくれる良書をピックアップしました。数学力をつける、ひいては、考えて理解する思考力を高めるうえで役立ちます。