「知らずに不倫」増加の背景
私の事務所を訪れる相談者には、若い女性も多く、中でもちかごろ急増しているのが、「独身だと思ってつきあっていた相手が実は既婚者だったんです」という相談。
なぜ彼女たちは相手を独身だと思い込んでしまうのでしょうか。先方に家庭があることくらい、つきあう前にわかりそうなものです。
実はこのようなケースが増加している背景には、マッチングアプリや婚活サイトなどの普及があります。このようなサービスの中には、本名や勤務先を明かさずに利用できるものもありますから、これらを通じて男性と知り合った女性は、男性の自己申告を鵜呑みにするしかありません。ですから男性が「ぼくは独身だよ」といえば、女性はほとんどの場合、それを信じて交際を始めてしまう。
その結果、つきあいだしてから既婚者であることが発覚したり、「実は結婚しているんだ」と告白されたりする。不倫をするつもりはなかったのに、気づけば知らないうちに不倫の片棒を担いでしまっているわけですから、いわば「知らずに不倫」といえます。