少子化が進む中、子供の一人あたりの教育費は増加傾向に。家計における教育費の負担感は増しています。子供の教育費は、かけたほうがいいのか――。家計コンサルタントの八ツ井慶子さんと考えます。
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大学の授業料は年々増加

人生の3大資金というと、教育資金、住宅資金、老後資金の3つをいいます。今回は、中でも教育資金についてご一緒に考えてみたいと思います。果たして、教育費はかかるものなのか、あるいは、かけるものなのか――。

日本はすでに人口減少社会に突入していますが、子供の人数でいうと、全体よりも早いペースで減少が進んでいます(図表1)。一方で、教育費全体はどうかというと、子供の人数減少ほどには減少していないようです。

※国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集」より作成

例えば、教育産業をみてみると、少し短い期間のデータですが2015~2019年度の「学習塾・予備校市場規模推移」(出典:矢野経済研究所「教育産業市場に関する調査を実施(2019年)」)をみると、その市場規模は緩やかに拡大し続けています(図表2)。さらに、文部科学省「子供の学習費調査」の推移をみると、幼・小・中・高(それぞれ公立・私立)によってまちまちなものの、全体的な推移をざっくり捉えると、私立を中心に費用の増加傾向がみられます。ちなみに、大学の授業料も増加傾向です(図表3)。

※文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」より作成

デフレの日本において、家計の負担感が増している費目の一つが教育費といえそうです。