Step3 組替する

「組替」とは、分解+再構築を意味する。生まれたばかりの妄想に独自の視点で加工を加えたら、オリジナリティーあふれる唯一無二のアイデアに組み立て直そう。

「あたりまえ」を洗い出し、アイデアの独創性を高める

あまのじゃくキャンバス

ステップ2までは、妄想をアウトプットし、その解像度を上げることをやってきた。しかし、ビジョンスケッチで理想の世界を描いてみても、「こんなアイデア、新しさも独創性もない。他の人がもう考えていそうだし……」と不安に感じる人が多いのではないだろうか。現段階のアイデアに自信が持てなくても、気にする必要はない。最初から斬新なアイデアを出せる人なんて世の中にほとんどいないからだ。重要なのは出したアイデアをどう磨いていくか。ただの妄想をまったく新しい切り口のアイデアに変化させるには、妄想が持っている要素を組み替えるといい。

どのようにして組み替えるのかというと、妄想をできる限り細かく分解する。このとき、既存のアイデアに隠れている「あたりまえ」つまり常識をしっかりと洗い出すことが大事。パーツはバラバラにしたままでは意味がないので、もとの姿とは別の形に再構築すると、個人レベルの妄想に客観性が付与されてアイデアらしくなる。では、具体的な実践方法をお伝えしよう。

まずスケッチブックを用意し、中央に分解したいテーマを書く。テーマの周囲には、テーマに付属しているあたりまえを付箋に書き出して貼っていく。あまり深く考えずに、テーマから連想して出てきたキーワードをテンポ良く書いていくといい。

次にそれらを見返しながら、違和感を探す。このとき、内容が関連しそうな付箋は近くに貼り直したり、重複しているものは省いたりしよう。さらに、違和感がある付箋には、☆などの目印をつけておくことをおすすめする。

最後は「あまのじゃく」になって、あたりまえの逆を書いた付箋を外側に貼っていき、あたりまえとの関係がわかるように線でつなぐ。あたりまえの逆を書き出す付箋は色を変えておくと、視覚的に違いがわかりやすくなる。このあたりまえの逆が、アイデアの突破口になるのだ。

Point
●スケッチブック、ペン、2色の付箋を用意する
●テーマから連想する「あたりまえ」のキーワードを付箋に書き出す
●キーワードを見ながら違和感を探す
●「あたりまえ」のキーワードの「あたりまえの逆」を書き出す

パッと見てアイデアを理解できるビジュアルに

ビジョンポスター

妄想に磨きがかかってきたら、アイデアをポスターにまとめよう。その前に「アナロジー」を使ってアイデアを組み替える方法を伝えておく。