若者の間で増える「ちび飲み会」とは

【山田くん】僕は実家暮らしですが、家で食べることはほとんどないので、外食費はかなりかかります。しかもランチはほぼ毎日のことだから、いつも同じ店じゃつまらないんですよね。友達と一緒にネットで店を探して、よさそうだったら多少高めでも行っちゃいます。

小さな飲み会が増えていると指摘する丹羽さん。

【塩田くん】僕は支出の大部分が交際費です。いろんな友達と少人数ずつで行くから、合計すると結構な回数ですね。安い店を選んでも1回3000円ぐらいはかかります。終電を逃してタクシーで帰ることもあるし。

【原田】長くデフレが続いたから、今は安い店も多いはず。それでも出費がかさむのは回数が多いからなんだね。昔はサークルごととか、大人数での飲み会も多かったものだけど、今は少人数で何回も行くのが主流なの?

【丹羽さん】大人数で飲むことはないです。サークル内だけでも小さなコミュニティがいくつもあるから、2〜3人の「ちび飲み会」が多いかな。内輪だけで通じる話をしたくて、ちょっとずつメンバーを変えて行くので、自然と回数も増えますね。

「とりあえずビール」はあり得ない

【原田】今の若者は小さなコミュニティをたくさん持っているからね。SNSもあるし、人間関係が細かく枝分かれしているから、集団飲み会にも違和感があるんだろうな。そうすると、お酒が嫌いな人はどうしているのかな。最近は若者の酒ばなれもよく言われているね。

【塩田くん】僕は、お酒を嫌いな人は飲みに誘わないですね。だったら食事に行けばいいと思う。飲めないとわかっていて誘うのも、「飲めよ」って無理強いするのもあり得ないです。昔は先輩が後輩に無理に飲ませることもあったみたいですが、今はそんなの支持されないと思います。

【丹羽さん】飲めない子が来ることもあるけど、飲まなきゃいけないなんて雰囲気はゼロですね。気兼ねなくその場にいられるようにしてあげたいし、何よりもアルハラは人間関係を壊すから。どうせお金を払うなら、好きなものを飲んで楽しく過ごせたほうがいいですよね。

【山田くん】何を飲みたいか聞かずに、「とりあえずビール人数分」とか勝手に注文するのもあり得ないです。男子でもカクテル系が好きな人もいる。それぞれが好きなものを頼むのが普通です。

【原田】定量調査でも、今の男子はビールよりサワー派が増えていることがわかっているんだ。周りの目を気にせず好きなものを飲む、または飲まない傾向が強まっているのかもしれない。また、飲み会自体も、お酒や居酒屋にお金を払うというより、人間関係にお金を使っている感覚が強いようだね。それなら、その場にいる全員が飲み物にも話題にも気を使わずに過ごせたほうがいい。個人個人の快適性を大事にするのも納得だよ。