最後に、必ず自分の会社の就業規則を確認すること。副業を解禁した企業が増えてきているが、まだまだ少数派。業務に支障をきたしたり、企業機密の漏えいといった違反行為があった場合は、懲戒処分の対象になったりする。年間20万円の収入を超えたら確定申告をすることも忘れずに。「物品やサービスを売る場合は、著作権法、景品表示法、古物営業法などに注意が必要です」

4.副業は本業の数だけあります。スキルを生かしましょう

“教える系”は、今の仕事を見直す機会に

どんな仕事でもそれを本業としている人と副業としている人がいる。つまり、本業の数だけ副業があるということだ。

本業で養ったスキルを副業に活用すれば、準備の時間や手間が省け、効率よくスタートできる。

「本業のキャリアを生かすには、人に伝える仕事が一番手っ取り早いでしょう。“教える系”は専門性が高く、やがて独立して活動することも可能です。ビジネスの現場で鍛えたマーケティングの方法を指南したり、人事の経験をもとに採用の仕方を指導したり。これまで、専門のスクールでしか学べなかったビジネススキルを実際に現場で働いている人から教わりたいという人は多いので、ニーズがあります」

その際、職務上で知りえた情報には守秘義務があるので、本業で使用した資料などの転用はルール違反になる。たとえば、独自の資料を作成し、テンプレート化するなどの工夫が必要だ。

人に教えた経験がないと不安があるかもしれないが、回を重ねるたびに顧客が何を知りたいかがわかってくるので、伝える力も磨かれていくと中野さんは言う。

「人に教えるということは自分の仕事についてあらためて考える機会になります。ですから、本業にも役立つはずです」

5.宣伝するならマッチングサイトが有効です

自分の市場価値は、どれくらい!?

自分のスキルを生かして副業をする場合、顧客を集めるために「私はこんなことをやっています」と宣伝する必要がある。ホームページを立ち上げるという手もあるが、ウェブ上の業務委託仲介サービスであるマッチングサイトが有効だ。

「クラウドソーシングを代表とするマッチングサイトは、仕事を発注したい個人や企業と、仕事を受注したい個人や企業をウェブ上でつなげるサービスです。報酬の受け渡しはサイト運営会社が仲介して資金を預かるので、仕事をしたのに報酬が得られないという心配はありません」

大手2社の「クラウドワークス」「ランサーズ」をはじめ、ここ数年で次々と出てきている。その数、「200社は超える」と中野さん。「Kakutoku」(営業代行)、「スカウター」(人材獲得代行)など特定のスキルに特化したものもあれば、ジャンルを問わず知識やスキルを気軽に出品できる「ココナラ」のようなものもある。