ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(新潮社)の著者、ブレイディみかこさんは、イギリス在住のライター・コラムニスト・保育士。アイルランド人のパートナーとの間に生まれた息子さんの中学校生活を描いた本作で、改めて注目を集めている。何代も続く英国人と他国からの移民、中間層と貧困層など、さまざまな家庭の子どもが集まる環境で、息子さんとみかこさんが学んだこととは? そこには多様化が進む日本社会へのヒントが隠されている。

自分は売れる作家ではないと思っていた

——ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』は重版され、ベストセラーになっています。どのような反響が届いていますか?

ブレイディみかこさん

もともと私は“売れる”作家ではないと思っていたので、今回の売れ行きは意外です。これまで私の本は『ヨーロッパ・コーリング──地べたからのポリティカル・レポート』(岩波書店)など、政治や社会運動に関心がある人、主に男性が多く読んでくれていたと思いますが、この本の読者は7割が女性だそうです。Twitterに投稿された感想などを見ていても、これまで私の本を知らなかった方や子育て中の女性がつぶやいてくれて、読者層が広がったというか、変わってきたのかなという感覚がありますね。