【1】英語はTOEICの点数より“しゃべれるかどうか”が重要
外資系で働く以上、英語は“できて当たり前”。最低でもTOEIC700点以上を条件にしている企業が多いが、「実は点数はあまり関係ない」と、エンワールド・ジャパンの狐崎壮史さん、ロバート・ウォルターズ・ジャパンのユニ・ホンさんは口をそろえる。「読み書きの能力を求める日本企業に対し、外資系ではディベートや交渉ができる会話力が決め手になります」(狐崎)。「TOEICの点数が高くても会話が苦手という人は多い。話せなくてもポジションによっては入社が可能ですが、管理職になれば外国人幹部とのコミュニケーションが業務の重要な部分を占めます。昇進を目指すなら英語力は必須」(ホン)。業務内容によっては「これから学ぶ」姿勢をアピールして入社をかなえる人も。諦めずにトライする価値はありそうだ。
【2】転職回数が多いほど、有利になるのはなぜ?
一般的に、転職回数が多いほど転職市場では敬遠されがちだが、外資系の場合はその限りではない。「転職を重ねてスキルを積み、スペシャリストへとステップアップしていくのがキャリアパスの王道。さらに、外資系はビジネスのスピードが速く、変化に対応できる柔軟さとタフさが求められるため、転職経験あり=企業文化・業務プロセスへの適応力があると判断されてプラス評価に」(ホン)。ただし、明らかなキャリアダウンや、毎回仕事内容が変わるような転職は逆効果に。また、「外資系でも日本人比率が高い会社だと日本社会の価値観が根付いているため、転職回数が多いと厳しい目で見られることも。3年程度の在職期間は欲しいところです」(狐崎)。“主体的な転職で専門スキルを磨いてきたか”が、カギになるようだ。
【3】年齢よりもスキル重視。35歳以上でも売り手市場!
現在、外資系企業の転職市場は非常に活況。「ここ10年で最も売り手市場。特に、フィンテックやAI、仮想通貨といった成長産業での需要が高いです」(狐崎)、「バイリンガルで専門分野のスキルがあり、海外のビジネス慣習に明るい人材層への引き合いは、年々強まっています」(ホン)。各社とも深刻な人材不足のため、スキルさえあれば、35歳以上でも“引く手あまた”の状態で、「年収アップは平均200万~300万円、もっとアップする人も少なくない」(狐崎)という。また、企業文化を大事にする外資系企業では、“企業風土に合うか”や、採用などの権限を持つ“直属の上司との相性”が、重要な基準になる。狙いをつけた企業のセミナーなどに参加して雰囲気をつかむなど、自分とマッチするかをあらかじめ見極めておきたい。