平成27年に開創1200年を迎えた和歌山県の高野山。令和元年の今年は、「紀伊山地の霊場と参詣道」世界文化遺産登録15周年でもあります。高野山には歴史や文化に対する学びをはじめ、宿坊や精進料理、写経や瞑想など非日常な仏教体験による新しい発見がたくさん。魅力いっぱいの高野山の旅をご紹介します。

もっと知的な旅にするための、高野山5つの基礎知識

高野山を旅する前に知っておきたい、基礎知識をまとめました。

1.空海が開創した真言密教の修行の地

高野山は今からおよそ1200年前、平安時代前期の弘仁7年(816)に、弘法大師・空海によって開かれた真言密教の学びの場です。

2.高野山という山はない

実は「高野山」という山はありません。地理的な意味で“高野山”を捉える場合、標高約1000メートル級の山々に囲まれた、東西約5キロ・南北約3キロの平地一帯を高野山と呼んでいます。

3.2つの聖地がある

真言密教修禅の中核の地である「壇上伽藍(だんじょうがらん)」、そして承和2年(835)に入定した、空海の御廟(ごびょう)とその参道が続く「奥之院」が二大聖地となっています。

4.52の宿坊がある

山内には117の寺院があり、そのうちの52カ寺が宿泊施設を備えた宿坊です。南北朝時代から江戸時代にかけて修行僧や信者を泊める宿として機能し、現在では、一般の参詣者も受け入れるようになりました。

5.高野山に伝わる瞑想法がある

高野山には、「阿(ア)」を観じる瞑想法、阿字観があります。阿字はサンスクリット語の第1字母で、真言密教では重要な仏さま(宇宙のすべて)を意味する文字。阿字観瞑想は、宇宙全体とのつながりを観察する行であり、一般の人でも実践可能な瞑想法として、空海が確立しました。

高野山を守る女神の存在を知ろう

丹生都比売(にうつひめ)神社
丹生都比売(にうつひめ)神社

高野山開創を語る上で、まず知っておきたいのは丹生都比売(にうつひめ)神社の存在です。山麓に鎮座する丹生都比売神社は、約1700年以上前に創建された古社であり、地主の神。空海を高野山へ導き、その地を授けたお社と伝わります。